パティシエ、プリンの上手な作り方について全力で語る① 卵編
みんな大好きなプリン。
少ない材料で作れるプリンはおうちでもトライしやすいですが、上手に作るのは簡単なようでなかなか難しい。
コツをつかむまでは、なかなかうまく焼けないですよね。
家にあるオーブンは人それぞれですし、作業環境が変われば焼き上がりも変わってきます。
なので、美味しいと評判のレシピ通りに作ったら、味は良いけど「す」が入ってなんだか食感がイマイチってことも。
今回からは、プリンをおうちで上手に焼くコツとして知っておくべきポイント、プリンの材料の特性についてパティシエが全力で語ります!
シリーズ長編!(たぶん)
プリンは奥深い
プリンは簡単なようでお菓子屋のテクニックがいっぱい詰まったものです。
ですので、
プリンの焼き上がりと材料が持つ特性の関係性
プリンに「す」が入るメカニズム
プリン液の最適温度
湯せん焼きにする時のお湯の温度
これらをひとつひとつ理解していくことで、どんなレシピでもうまく焼けるようになってきます。
プリンについて理解が深まれば・・・
こんなツルツルプリンもおうちで焼けます。
※ちなみにこのプリンは我が家の7000円代で買えるオーブンで焼いたもの
逆に勘で焼くと、少し違うレシピにチャレンジしたら大失敗したなんてことにもなりかねません。
3つの食材の組み合わせ、いろんなプリン
プリンのメイン食材は大きく分ける卵、牛乳(乳製品)、砂糖。
このたった3つの食材の比率をガチャガチャ変えることによっていろんな食感のプリンが生み出されるんだから、お菓子って本当に面白い^^
卵は卵黄と卵白に分けられるので、全卵を使うのか、卵黄を多めに作るのか、はたまた卵黄のみで作るか
また牛乳(乳製品)は一部を生クリームに置き換えたり、全部を生クリームして濃厚なブリュレにしたり
こんな感じで、同じ材料でも少しレシピを変えると出来上がりは別物です。
そして砂糖は単に甘みづけの役割だけではなく(また説明しますが)減らしすぎると失敗につながるような大切な役割も持っています。
3つの食材、色々な組み合わせ。
だからこそプリン作りはお菓子作りをする人の頭を悩ませるともいえます。
逆に言えば、それぞれの材料の特性を良く知っておくことで、上手に焼ける確率が格段に高まるんです。
プリンを知るには卵を知れ
じゃあまず何から学べばいいんや!とお思いの方。
卵。
卵ですよ。
卵はプリンを固めるキーとなる材料。
だからこそ、卵の固まる温度帯を意識しながらプリン液を作ったり、焼いたりすることがめっっちゃ!!大切なのです。
卵のタンパク質は熱で固まる
プリンが固まった。それはタンパク質の熱変性がおこったということ。
もっと簡単に言うと、卵が過熱すると固まる(熱変性する)性質を使用してプリンはできているということです。
卵のタンパク質は特に熱によって変性しやすい性質を持っています。
そんなん知ってる!と思われるかもしれませんが、じゃあ卵は何度くらいで固まるか知っていますか?
答えは
卵黄:約65℃から凝固が始まり75℃以上で完全に凝固
卵白:約60℃から凝固が始まり80℃以上で完全に凝固
なので、プリン作り全体で意識する温度帯は
60℃(卵白が固まり始める)~(卵黄の熱変性の温度帯)~80℃(卵白の完全凝固)ということ!
これを押さえておくことで、「す」が入ったり、逆に全然固まんねー!ということを極力回避できるんです。
卵の固まる温度帯を意識して作るってどゆこと?
卵の固まる温度は分かったけど、これをどうプリン作りに活かせばいいのか。
ここでプリンの作り方をざっと説明すると、
①砂糖の一部を入れた牛乳を温める
②卵と砂糖を混ぜたものに温めた牛乳を入れる
③濾す
④型に流して湯せん焼きする
こんな感じです。
この中で卵の特性が関わるのが②と④
②では・・・
卵が熱変性しない、かつプリン液の温度が冷たくなりすぎないような温度の牛乳を入れる。
④では・・・
全卵を使ったプリンは卵白の凝固温度(80℃)、卵黄のみのプリンは卵黄の凝固温度(75℃)をプリンの中心が超えれば固まるので、中心が固まるまでなるべく外側ばっかりに熱が入りすぎないようにする。
これが大事なんです。
長くなったので、今回はここまで。
次回はこの②と④をさらに詳しく解説していきたいと思います。
ちなみにパティシエが一度くらいは読んだことがあるだろう、私おすすめの本がこちら
若い時は文字ばっかでつまんないな~と思っていたんですが、お菓子をロジカルに理解するには必読ですよ~おすすめ
クリスマスも近づいてきましたが時間を見つけてコツコツ書いていきたいと思います。よろしければサポートおねがいいたします。
makoでした^^
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