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滝が雑念を祓い、マイナスイオンが心を癒す滝修行の聖地…中野不動尊(福島県福島市)

達沢不動滝をアップした後、5月に福島市の中野不動尊に参拝したことを思い出し、写真を整理してみました。こちらも滝あり。しかも落差のある、わたし好みの滝なのでした。

寺院の案内など、詳しくは公式サイトをどうぞ↓
ちなみ中野不動尊は通称で、正式名称は「中野山 大正寺(たいしょうじ)」。曹洞宗の寺院とのこと。

カモシカに導かれ、洞窟に不動明王を祀る

開山は治承3年(1179)。開祖の恵明道人(えみょうどうにん)が、「1頭のカモシカに導かれ、不動滝のある奥の院に入山し、山神のお告げによって洞窟内に3ヶ月間、不動明王を祀り、灯明を灯したのがはじまり」とされるそうです。
その火は現在まで絶えることなく、燃え続けており、「不滅の聖火」と呼ばれているそう(どれが「不滅の聖火」だったんだろう…(;^_^)

まずは本堂から。

参拝したのは5月の新緑の美しい季節でした。

「岩窟の清水」のお地蔵様。ピンク色の可憐なお花は、ヒメサユリ? ササユリ?
※ヒメサユリ 福島県・山形県・新潟県の県境にしか群生していないユリ科の植物

「岩窟の清水」は奥の院の洞窟から湧き出る清水で、「とげぬき地蔵尊に手向け、たわしで擦れば三毒が取り除かれ、飲用すれば活気が出る」といわれる霊水だそう。また、左手の奥には、地下より湧き出ている「こと清水」といわれる清水があり、「こと姫」伝説が残るそう。「現在も参詣者の喉を潤し続けている清水」らしい。

これは「岩窟の清水」かな?

ところで、「こと姫」とは? 下記サイト様によると、平安後期に境内に住み、人々を助けたという姫のことらしい。詳細はいつか…!

以下は祈祷殿の彫刻。これは中野不動尊のはじまりとなったカモシカかしらん?

精緻な彫刻が美しいです

新緑に囲まれた祈祷殿。

轟音を立てて流れる瀑布が雑念を砕く

赤い橋を渡ります。赤と新緑の対比がまぶしい!

大日堂(だいにちどう)へ。開山800年を記念し、昭和54年に建設されたそう。御本尊の大日如来のご開帳は20年に一度とのこと。

納札堂の毘沙門天。凛々しいお姿です。

境内に入ったときから聞こえる滝の轟音…!
こちらが不動滝。
赤く塗られた建物と新緑、白い滝の対比が本当に美しいです。

水しぶきを上げながら流れ落ちる不動滝。滝壺を見下ろしているせいだと思いますが、引き込まれそうな感じがします。きゃー(;^_^

ご神木(でいいのだろうか?)越しの不動滝。

不動滝アップ。落差10m。想像以上の高さでした。

やっぱりマインドフルネス。とても癒されました。この時期は疲れがまだまだ残っていたので、かなり長時間いたような気がします。水の音…というか、水が滝壺にぶつかる音が浮かんでくる雑念を取り払い、水しぶきのマイナスイオンが心を癒してくれる……そんな感じのスポットでした。

水に濡れる不動明王。お顔が見えなくなっているのは、滝に削られた? 願をかけた人が削ったのか?

こちらにも不動明王が1体。いかめしくもありがたいお姿です。

こちらの倶利伽羅剣は、地元の水力発電の会社さんが奉納したもののよう。

滝の写真はどれをアップするか迷いまくりました(例によって撮り過ぎました)。この緑も5月らしくてお気に入り。

ご神木越しの滝をもう1枚。

奥の院めぐりで、不動明王と眷属の三十六童子に参拝

奥の院の洞窟めぐりの出入り口の一つ、寂光門。

奥の院の洞窟めぐりの出入り口。まずは灯明を灯して、奉納します。

灯明は1本50円。

この洞窟は、その昔、滝修行のためこの地を訪れた人びとが、雨露をしのぐためうがち、「7つの洞窟」となったそう。現在はそれがつながり、めぐれるようになっているとのことでした。

内部はさほど狭くはありませんが、薄暗く、音が響きわたり、神秘的といいますか、外界とは違う氣が満ちている様な気がします。ここで滝修行に励んだ修験者たちの氣が残っているのかも…。

ここにも不動明王のお姿が…!

洞窟には、不動明王の眷属(けんぞく=従者、随伴者のこと)である三十六童子の銅像が祀られています。

不動明王は、密教の最高神である大日如来の化身

ところで、不動明王は大日如来の化身の一つといわれます。それは知っていたんだけど、どういう関係だっけ?ということで、これを書くにあたって、不動明王と大日如来の関係を調べてみました。

不動明王は大日如来の化身の一つ。大日如来は密教の最高神で、宇宙そのものとされるらしい。阿弥陀如来や薬師如来など他の仏もすべて、大日如来が変身した姿。それだけでなく、すべての生き物も大日如来から生まれたとされているそう。
……スピリチュアル的にいうと、「ワンネス(=すべては一つにつながっている)」的な?

そんな大日如来と不動明王の関係は? 「大日如来が仏教の教えの源であり、不動明王がその教えをしっかり伝える、守る存在」という関係らしい。それで、あんな怖い顔をされているのか。なんとなく納得いたしました。


さて、境内紹介の続きです。

こちらは「あんど釜」
案内によると「弘安6年頃、この地方に疫病が流行した際、住職が不動明王のお示しによって大釜で薬草を煎じ、牛車に積んで病人に与えたところ、たちまち治り、人びとは安堵した。それから『あんど釜』といわれるようになった」そう。

弘安6年は西暦1283年。
鎌倉幕府の時代。執権は北条時宗です……ってことは、元寇の時代の頃かな?

ずらりと並んだ石仏や板碑。

座禅草のしげみ。

今回、この原稿を書いていて、気づきました。

中野不動尊は、滝だけでなく、霊水もある。「水の氣」に満ちたパワースポットなんですね。次に参詣するときは、「水の氣」をもっと感じてみたいと思います。

毎年2月28日を中心に開催される「歳祭り」では、梵天を抱えた修行者がこの滝に打たれて心身を清める水行がおこなわれるとのこと………水行やってみたいけど、2月かあーーーー(;^_^

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