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分野が違えば視点も違う

当然と言えばそれまでですが、専門とする分野が違うと視点も変わります。
でも、実際に直面すると「あぁ、この分野の人はこういう所を見ているんだ、こんな風に考えるんだ」と感心したり、新たな知見を得る事になります。

僕が専門とするゲルも、用途によって見方は全然違います。
例えば

〇食べ物としてゲルをとらえると、食感とゲル強度の関係や消化のし易さに注目する。
〇衝撃吸収材としてゲルをとらえると、どんな物質・構造なら想定する衝撃を吸収し、ゲルも壊れないかに着目する。
〇薬を含んで運搬する材料として考えた場合は、どのように薬をゲルに内包し、適切なタイミングで放出するか仕組みを考える。
〇創傷被覆材(カットバンなど)としてゲルを応用したいときは、傷口に接しても問題が無く・傷を早く治すのに最適な物質・ゲルの表面状態・柔らかさを考える。

これはほんの一部ですが、考えている用途が違うと視点が変わります。
僕は温度応答性ゲルをメインで研究しているため、強度と膨潤・収縮や色変化のメカニズムをよく考えます。ゲルの専門家の中では、内部構造をより深く追求する傾向があります。
また、ゲルを専門としない人の中には、ゴムと同じ柔らかい材料の一種と捉える人も居ます。

普段は関心の無い分野を見聞きしたり、異分野の人と話をするのは新鮮な上、自分のやっている事の可能性を広げる事が出来ますよね。
もちろん、ちょっと話しただけで何もない事もありますが(^^;)
前提として、異分野の人にも分かり易く説明し、興味を持ってもらう工夫が必要ですが、それも自分のスキルになるんですよね。
別に学会のような場所でなくても、家族や職場の人に趣味や仕事でやっていることを話すだけで、新たな気付きを得る事があります。

ここからは、実際に学会や仕事で得た発見や、考え方の違いに驚いたことをお話しします。

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