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ゴッホ展

兵庫県立美術館で開催中のゴッホ展
ゴッホが絵画を学び始めた頃の作品から、晩年の麦畑や糸杉、薔薇といった代表作を見ることが出来ます。
ゴッホの弟テオ(テオドルス・ファン・ゴッホ)や、友人との手紙のやり取りが随所に紹介されていて、ゴッホの絵に対する考え方や姿勢を知ることが出来ます(テオは兄フィンセントを金銭的に支援し、画家活動を支えました)。
音声ガイドも良かったです。
1月まで上野の森美術館で開催されていましたが、兵庫県立美術館巡回後の方が作品数が多いため、兵庫県立美術館を選びました。

ゴッホの作品以外に、ゴッホが影響を受けたハーグ派や印象派の絵を見ることが出来ます。
オランダ黄金時代が終わり、オランダが衰退し始めた時代に登場したハーグ派の画家は、主に田園地帯や海岸風景を描きました。
ゴッホはハーグ派の中心的な人物、アントン・マウフェに師事し、絵画を学んでいます。
ちなみに、オランダ黄金時代の画家と言えばレンブラントとフェルメールが有名ですね。

その後、ゴッホはフランスで印象派の絵に触れ、印象派の画家とも交流します。点数は少ないですが、モネ、ルノワール、ピサロ、シスレー、シニャックなどの印象派の絵が展示されています。モネやポール・シニャックの点描法は、ゴッホの作風に大きな影響を与えています。
ポール・シニャックは明るい性格で、人付き合いが良かったそうです。気難しいゴッホとも良好な関係を築いていたようで、ゴッホが入院した際には見舞いに行っています。
以下の作品は国立西洋美術館(東京・上野)の常設展示で見ることが出来ます。画像では分かり難いですが、点だけで描かれている見事な作品です。
*ゴッホ展には展示されていません。

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The Port of Saint-Tropez(ポール・シニャック作、Wikipedia)

個人的に感銘したのは、モンティセリの絵です。
激しい筆遣い、絵の具の厚塗り、派手な色使いにも関わらず、画面の中で上手く調和しているんですね。この特徴はゴッホの晩年の作品にも見られます。

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花瓶の花(アドルフ・モンティセリ、Wikipedia)
ゴッホ展では、この作品に類似したモンティセリの作品を見ることが出来ます。

ゴッホはモンティセリの絵を「色彩のオーケストラ」と表現しています。
また、モンティセリのやっていることを続けていると思う事があったようです。実際にモンティセリの絵を目の前にするとよく分かります。解説が無くても、絵を見ただけでゴッホが強く影響を受けたことが理解できます。

兵庫県立美術館は、建築家の安藤忠雄が設計した美術館です。
美術館自体に注目しても面白いと思います。

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ゴッホ展は3月29日まで開催されています。

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