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シャニマス4th、担当アイドルたちの幸せを願って涙が止まらなかった時間。【前編】

あの日あの場所で自分の意志と無関係に涙が止まらなくなったのはなぜだろう。まさか運営に不満ばかり募るアイマスのライブで泣くとは思わなかった。

数メートル先で踊っていた声優さんとキャラを同一視したわけでも声優さんの仕草からキャラを感じたわけでもない。それでも、目の前にいないキャラクターを想像したら涙が流れていた。

あの日あの場所で感じたのは「大切な担当アイドルたちにどうか幸せになってほしい」という強い願いだった。彼女たちに対して僕が抱く劣等感とコンテンツに対する不安や憤りなど様々な感情を交えながら、僕のいう「彼女たちに幸せになってほしい」の本当の意味について書く

自分自身の時計の針を進めるためにあの日感じたことを可能な限り吐き出してみる。読んでくれた人が何かしら楽しんでくれたならとても嬉しいが、もしかしたら誰にも届かないかもしれない。それでも、せめて未来の自分だけには今の僕が感じたことが届けばいいなと思う。

未来の自分が今の気持ちを忘れてしまったら思い出してほしい。あの日僕がどんな想いで何を考えていたか。僕にとって担当アイドル達がどんな存在か。未来の僕にとって担当アイドル達はどんな存在なのか。

彼女たちの決意それでもを見届けるために

これまでのイベントに失望していた僕

CDを買うためだけに幕張に行った初日(4月23日)

当初は4thに行く気などなかった。去年のイベントに失望してライブにはもう行かないと決めていたから。特に昨年のクリスマスパーティは見れたものではなかった。クリパは声優の個人イベントでやればいい出し物をシャニマスの名を冠してやった最低のイベントだと思う。

「〇〇ちゃん、いつもTwitterで絡んでくれてありがとう。今度一緒に洋服買いに行こうね」と、作品と無関係の声優の極めて個人的な話題を手紙として朗読される茶番劇からキャラを感じるも何もないだろう。

昔は声優とキャラの同一視に関心がなかったが、歳をとるにつれ思考が先鋭化した僕は「目の前にいるのは自分と同年代の声優でキャラではない」と考えるようになった。声優とキャラの同一視など絶対にできないし、ライブ自体がキャラを感じさせる構造でないと感動できなくなっていた。

ではなぜライブに行こうと思ったのか。初日の感想を見ていると「甘奈の文字の書き方がそれっぽい」というつぶやきを見つけ、どうやらMCの間にキャラが過去の自分に書いた手紙があるとわかった。

後出しジャンケンのようだが「4thライブは2nd3rdとは違うものになるのでは」という予兆を3%ぐらいの確率でここしばらく感じていた。だからライブ初日の感想を確認していた。もちろんこの予感は無根拠にではない。

たった一つの目的

ライブの変貌を予感したのはここ最近のゲーム外での広報の仕方が去年よりグッと改善されたと感じたからだ。DARSコラボ、各キャラの誕生日の投稿、283ミュージックフェア、新宿駅の広告も素晴らしい施策だと思った。

ライブ当日はファンらしき人たちがちらほら写真をとっていた

これまでの道のりを思い出させる数々の施策は自分にとって好印象だった。広報が改善されたなら、ひょっとするとライブも良くなるのではと想像するのは難しくないはず。3%の予感は結果的に的中した。前日に急遽身支度を整えライブへの参加を決めた。これは行く価値のあるライブなのだと。

283ミュージックフェアでは担当たちの想いが見れてとても嬉しかった

参加した理由はとてもシンプルだ。目的はただ一つ、大切な担当アイドルたちの未来への意志をこの目で見届けること。ライブ本体ではなく幕間の文章のために即万札を投資するのは異常かもしれないが、それだけの価値があると何の躊躇もなかった。

開演して数秒であれだけ嫌悪して呆れた去年のライブとは明らかに違うと確信した。もしかしたら1stライブに匹敵するのではと期待した。冒頭の手紙の演出のあるワンフレーズを見て、すでに涙目になっていた。

「それでも」は、この作品における重要な価値観の1つだと思う

そうだ、僕は彼女たちの「それでも」を見に来たんだ。拙くても、完璧じゃなくてもいい。それでも、今できる精一杯の輝きと未来への決意を、今日見届けに来たんだ。冒頭の手紙の演出で開幕から気分は最高潮になった。

新宿駅で掲出されていた4周年の記念広告、感動のあまり4,5回見に行った

大切な担当たちからの手紙を読んで

原点であるゆらゆらアクアリウム

唯一無二の原点

ユニットパートからが僕にとっての本番だ。甘奈の手紙を最も楽しみにしていた。「ゆらゆらアクアリウム」で未来の自分に手紙を書いたキャラだし、あのカードこそがシャニマスを始めたきっかけだったから。なので当日のガシャでゆらゆらアクアリウムが出たときは運命めいたものを感じた。

未来の甘奈へ
今からおまじないをかけます!
(中略)
そして
大切な人たちと一緒にめっちゃ笑顔になってます!

手紙パートより一部引用(間違っていたらごめんなさい)

おまじないというのが甘奈らしい。断言ではなく「自分に言い聞かせる」おまじない。「ゆらゆらアクアリウム」は疑問系の手紙だった。今回の手紙も断言ではないから、もしかしたらほんの少し不安を抱えているのかもしれない。それでも、G.R.A.D.などを経てより一層前向きになった甘奈の成長を実感できたし、この手紙からは明るく笑顔で笑っている甘奈を想像できた。

一番の目的は、彼女たちの決意と覚悟を見届けることだった

甘奈の魔法おまじないを何としてでも実現するために、これからも隣で見守りたいと思った。まさか甘奈が最初とは思わず全く心の準備できていなかったので涙が溢れるほどは泣かなかったが、視界はぼやけてきてとても感動した。声優さん達が歌っている間も幸せな安堵感に包まれていた。

控えめに言ってこの世で一番可愛いと思っている

だからライブパートの記憶はほとんどないけど演奏を楽しめていたと思う。このとき、一番見たかった甘奈で泣かなかったし大丈夫と油断したのかもしれない。今回改めて僕にとって担当達は等しく大切な存在なのだと理解できた。僕の涙腺を崩壊させたのは主に甘奈以外の2人だった。

いつもまっすぐで強い人

大好きなPRISISMは楽しく聴けた。イルミネのライブパートで灯織の音源を残してくれたのも嬉しかった。担当の灯織・円香はもちろん、樹里や小糸、智代子やめぐる、どの手紙もよかった。いよいよ夏葉の手紙が流れた。この手紙が僕のなかでライブの流れを一気に変えた気がする。

未来のことはわからないけれど
(中略)
だけど 
わからなくていいの 
すぐに、そこにいくから

手紙パートより一部引用(間違っていたらごめんなさい)

最後の「すぐに、そこにいくから」を読み終わったあと、目からポロポロと涙がこぼれていることに気づきとてもびっくりした。身体が勝手に泣いている感覚を久しぶりに思い出した。夏葉らしい真っ直ぐな強さや健気さを感じれたからだろう。「わからなくていいの」という優しい言い方もとても気に入っている。

夏葉の生き様をみると、なぜこんなにも感動するのだろう

未知とは、不安でもあると思う。でも不安を否定するのではなく肯定して、受け入れて。むしろ夏葉ならそれを楽しもうとする姿が容易に想像できて、だけど脳内で再生した夏葉の声はどこかしっとりしていて。いつもそうだがあの瞬間、有栖川夏葉を心の底から誇らしく思った。

夏葉の強さやまっすぐさをみれたから涙が出たのかもしれない。「クライマックスアイランド」を楽しみにしていたが感情がぐちゃぐちゃになっていたのでアルスト同様ライブパートは記憶がない。声優さんが合いの手を入れるように促して頑張っていたことは覚えている。

ある手紙で脳裏に浮かんだ1枚の写真

夏葉の手紙で感動してから僕の涙の防波堤は機能しなくなっていた。霧子の手紙を読んで想像したのはなぜか「かぜかんむりのこどもたち」だった。笑顔が印象に残ってるからか、とにかくこの1枚が脳裏に浮かんだ。

この光景が脳裏に浮かんだ理由が、未だにわからない

(中略)
きれいなうたがきこえますか
もしもし 
そこにわたしとみんながいますか

手紙パートより一部引用((間違っていたらごめんなさい)

ひらがなだけの優しく可愛らしく霧子らしい文体。僕個人の感想だが、霧子の手紙はアイドルについては言及してないように感じた。「きれいなうた」をアンティーカの唄ではなく、もっと抽象的にこの世に生とし生けるものの命の鼓動とも解釈できるのではないかとも思ったから。

霧子の感性は独特ゆえに共感しにくいと思っているが、だからこそ面白いし新しい気づきがあって大好きなキャラだ。霧子はアイドルだけでなく医学生になるための勉強も頑張っている。だから霧子は将来アイドルを続けているのかどうかはわからない。ただ一つ言えるのは、どのような仕事に就こうが幸せでいてほしいこと。最後の一言がグッときたのだろう。

大切な人にはいつまでも幸せでいてほしい

霧子が大切な人たちといつまでも一緒にいられるのか。アンティーカのみんなといることは、すなわち未来でもアイドルを続けていることなのかもしれない。でもそれだけでなく僕が想像したのは、アイドルでなくなっても彼女達がまた集まって一緒に笑っている未来だった。

夏葉の時点ですでに限界だったがもう耐えられなかった。どんな形であれ、恋鐘と摩美々と咲耶と結華とプロデューサー(もちろん283プロのみんなも)と一緒に霧子が笑っている未来が叶っているといいなと思ったら涙が流れて止まらなくなっていた。

暗闇の中で静かな立ち上がりの「abyss of conflict」が始まり、無歓声のはずの会場の熱気が高まるのを感じながらそれとは逆に僕は涙の深海に堕ちていった。目の前の光景は涙でぼやけて見れなかったし、自分の泣き声が煩くて僕の耳はそのヘヴィメタルをかき消してしまっていた。

最も楽しみにしていたユニット曲

「abyss of conflict」はユニット曲で一番聴きたかったのにまるで聴けなかった。「かぜかんむりのこどもたち」の霧子だけが頭のなかで輝いていた。彼女たちの手紙を読み彼女たちの決意を見届けただけで十分満足したが、最後にビッグサプライズがあった。

演奏されると思わなかった最も好きな曲

「Multicolored Sky」こそ締めに最もふさわしい曲だと思うが、今回はアンコール1曲目でやったので残りの曲はなにかと思った。初日のセトリを見ないと決めたのが功を奏したのだろう。担当達からの手紙で泣いてまともに考えられる状態ではなく、次に何を演奏するのか全く想像できなかった。

「Multicolored Sky」を演奏し終えた静寂の中で声優さんたちは静かに何かを待っていた。その光景を固唾をのんでみていたが、おそらく僕が一番やってほしい曲はやらないのだろうなと投げやりに思っていた。想定外の聴き慣れた旋律が静かに始まった。流れるとは思わなかった美しく優しいそのピアノはゆっくりと奏でられた。ずっとこの曲を待ち望んでいた。その曲とはすなわち、「いつか Shiny Days」である。

親しい人に会いたくても会えない情勢の中でも、この曲が僕を支えてくれた

本当に並々ならぬ思い入れがあるこの曲は、CDの発売日でいえば自分が生まれ育った平成で最期にリリースされたシャニマスの曲だ。リリースの翌年に世界情勢が大変なことになるわけだが、そんな中でもこの曲を聴くと毎日活力が湧いた。

まさか演奏されるとは思わず本当にびっくりした。自分が手紙で泣いたよりもびっくりした。気づけば拳を強く握りしめ右腕を高く上げてガッツポーズしていた。それぐらいこの名曲が好きだった。

2ndでも演奏されたがFR@GMENT WINGがノルマのあのライブではやって当然感があったので、4thの方が演奏されてはるかに嬉しかった。今回のライブ最終盤では「Dye the sky.」や「シャイノグラフィ」とか人気のある曲しかやらないと思っていたから。

それでも、僕の願いは叶った。この曲はやはり「Multicolored Sky」同様ライブ終盤でこそ最も輝く曲だ。2ndでも最終盤で、283フェスday2に至っては最後の締めに使われている。このバラードはそのようにデザインされている。アイドル達のこれまでの軌跡とこれから未来に向けての新たな決意を表現する上でこれ以上ないうってつけの曲だと思う。

また2ndと決定的に違うのはきちんとパート分けされていたこと。ライブ終盤の決定的な場面で使ったこともだが、アンケートで書いたことが反映されている気がした。もちろん僕の意見ごときが大勢に影響を与えるわけがないが、自分が正しいと信じたことは間違ってなかったのだと思えた。

オレンジのような黄金のような輝きはBlu-rayで確認してください

いくつもの季節のなかで
あなたと気持ちが近づく
思い出の数が増えると
流す涙も増えるんだね

「いつか Shiny Days」より

担当の手紙で泣かされ最終盤で一番好きな曲を歌われるのは耐えられなかった。天井と群衆の影のあいだで瞬いていたオレンジのような黄金のようなその輝きのなかで、僕はずっと泣いていた。なので灯織のソロパートがどの部分だったかなど全く理解できなかった。同じライブで3回も涙が溢れたのは今まで参加したどのライブでも経験しなかったことだった。

どうすれば彼女達は幸せになれるのかという想い

真面目で健気な彼女たち

なぜ担当たちの手紙で涙が流れたのか。

まず、担当たちが未来に思いを馳せる真摯な姿勢を想像して純粋に感動したこと。僕の担当達はみんな真面目だから、一生懸命未来について考えたんだろうなとか真剣に自分と向き合ったのだろうなと思うと、健気で涙がでた。

また、霧子と夏葉にも共通するのはユニットで最後の順番にいること。だからそれまでのメンバーからの感動も含まれている。担当の冬優子たちはもちろん担当以外の咲耶や愛依などの手紙も素晴らしく、彼女たちの想いも感動の要因だったのは間違いない。

そして、彼女達の未来がどうか幸せであってほしいと心の底から思ったこと。僕は担当アイドルに幸せになってほしいと常日頃から思っているしそう願っている。

いつかアイドルではなくなる彼女たち

アイドルはいつまでも続けられない。だからこそ、アイドルとして過ごすかけがえのない時間を大切に生きなければならない。いつか必ず彼女達はアイドルでなくなってしまうから。

「アンカーボルトソング」より

アイドルでなくなった後も彼女達の人生は続く。そうなった彼女たちは幸せなのだろうか。アイドルでなくなるその日まで彼女達は幸せでいられるのだろうか。

アイドルを辞めてもどうか自分らしく生きていってほしい。病気になるでもなく、できるだけ辛い思いをせずに毎日過ごしてほしい。きっとこれから先も困難があるだろうけど、それでも強く生きていってほしい。

ライブ中、目の前に自分が愛してやまない彼女たちはいない。だから会場の天井を見上げて、今この場にいない彼女たちのことを想っていた。彼女たちは今どこで何をしているのだろうと。

どうすれば彼女たちがこれから先幸せになれるのだろう。これから先も幸せでいられるのだろう。幸せになってほしい。なんとしてもそれだけは成就してほしい。どうか、どうか幸せになってほしいと、胸から込み上げてきたその本心に気づいたら涙が溢れてきた。

あの瞬間、どうすればこの笑顔を守り続けられるのだろうかと問い続けた

「俺にできることならなんでもするから。頼むから、俺の大切な担当たちを幸せにしてくれ。お願いだから」と思いずっと胸が苦しくなっていた。それは運営に懇願しているのか、神様に願っているのか、誰にお願いしているのかもわからないまま公演は続いていった。(後編に続く)

本記事で使用されている画像はすべて©︎BANDAI NAMCO Entertainment Inc.


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