私は味噌汁しか作らない

料理は昔から嫌いじゃないけど、自炊が苦手だ。

小学生の頃から、日曜の昼食は兄と私で作っていたし、だいたいの家庭料理が何で味付けられているか想像できる。

何種類ものスパイスを仕入れ、それらを大量に余らせて作る火鍋とか、せっせとココナツミルクを絞って作るグリーンカレーとか、わざわざ生トマトをセミドライにして作るパスタとか、そういった料理も面倒とは思わないし、むしろ楽しい!

しかし、"料理"は上手くいっても"自炊"となると、どうしても苦戦してしまう。

自炊・・・
(独身者などが)自分で食事をこしらえること (広辞苑より)



限られた時間とコストの中で、栄養バランスを考えた上で適切な量を作る。さらに、購入した食材や調味料が余らないよう、やり繰りしなければならない。

「半分だけ使った野菜どうしよう」
「食べきれない分が無駄になっちゃった」
「買った方が安かったかも」
「豆板醤が減らない」

など、料理という言葉ではとうてい収まらない、生活が一体となった悩みが付いてくる。それが自炊だ。

そもそも、自宅の冷蔵庫を覗き込んでいる時も、スーパーにいる時も、私の頭はショート寸前。朝起きた瞬間から、何を着たら良いか、アイシャドウはどれにするか、どの電車に乗るか、自転車で行くのか・・・と、怒涛の選択地獄に襲われる。

仕事が始まれば、選択に次ぐ選択、とにもかくにも選択、とりあえず選択。選べることはありがたいと知りつつも、さすがにこれでは選択の奴隷ではないかと思うほど、日々は選択の連続でできている。

そんなこんなで一日を終え、夕食を作るころには脳内で蛍の光が響き渡る。

冷蔵庫を開け、予算に応じて買っておいた野菜と豆腐(たまに肉)を取り出して、何も考えずに切り刻み、味付けの全てを出汁パウダーと味噌に委ねる。

これが私の限界だ。

画像1

これ全部、一食分の味噌汁の具です。
冷静になれば、他にもいろいろ作れるのかもしれない。揚げナスとかお浸しとか・・・ね。

それでも私は何も考えずに味噌汁を作る。
野菜を切って、お湯を沸かし、食べながら何を見ようかと考える。録画かな、YouTubeかな、Netflixかな・・・なんて。

これが私の自炊生活。
身体と心は、なんか良い感じ。

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