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文章作成のノウハウから 文章に向き合う姿勢・考え方までをアドバイス

【広報ライブラリー】~『広報』2022年8月号

坂本宗之祐著『ロジカルな文章、情緒的な文章』出版:クロスメディア・パブリッシング/発刊:2022年6月

『広報』連載コラム「広報は 楽しい・知的な・格闘技」(8月号34ページ)を執筆するメディアコンサルタント、坂本宗之祐氏による最新刊。坂本氏は新聞やウェブニュースの記者として長年活躍し、現在は企業や自治体、個人事業主などを対象に広報支援を行うほか、動画やブログ、メールマガジンなどを通して広報活動に関する考え方やノウハウを発信している。その中から、文章作成に関するアドバイスをまとめたのが本書。

タイトルの「ロジカルな文章」とは、ファクト(事実)を中心に、書き手の主観が排除され、客観的・論理的につづられた“かっちり文章”のこと。「情緒的な文章」とは、書き手本人の主観を中心に、その人の「思い」や「気持ち」が表現された“やわらか文章”のこと。記者として両方の文章づくりを身に付けてきた著者は、SNSによる情報発信が定着する2020年代は「両方の書き方が求められる」と語る。

本書は、「文章の根本セオリー」「ロジカルな文章の書き方技術」「心をわしづかみにする文章の書き方技術」など5章構成。第2章「文章の根本セオリー」では、「主張は、必ず『体験』とセットで」「ファクトと思い『7:3の法則』」など、文章を書くにあたってのセオリーを13項目挙げて解説。3章「ロジカルな文章の書き方技術」では、「逆三角形ライティング法」「スピードライティング法」「地空視点ライティング法」など論理的で説得力を高めるための考え方や手法を紹介する。

こうしたテクニック以前のこととして、著者が強調するのは、文章づくりに向き合う姿勢だ。「『文章が苦手』は思いこみ」「『うまい』必要はない」「あなたにはロジカル思考力が備わっている」とし、「うまい下手は忘れ去って、まずは“書ききる”こと」を根本セオリーの第一に挙げている。


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