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「3カ月後は何してるんだろうな」マヂカルラブリー、王者の困惑

2020年M-1グランプリ・チャンピオンとなったマヂカルラブリーが「月刊芸人」に登場。優勝から1カ月以上経ち、慌ただしい生活を送る二人だが、テレビ出演を重ねて首をかしげることがあるそうで―― “コンプラ問題発言”も飛び出した王者の現状分析を聞いた。

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――今回は事前に「思い出の地」をうかがって東京・中野での取材になりました。

野田:お笑いって中野でしたね。吉本入ったとき、「こんなに中野使わねぇんだ」ってびっくりしましたもん。とりあえずお笑いライブって言ったら中野来るイメージだったんで。


――なかでも「なかの芸能小劇場」は思い出のライブ会場だそうですね。

村上:ほかも思い出深い劇場はあるんですけど、潰れちゃってるんですよね。だからなかの芸能小劇場かなぁ。

野田:“芸小”って、インディーズライブをやる中で一番キレイな劇場だったんですよ。楽屋もキレイだし。14年くらい前の野田クリスタルのピンネタがYouTubeにあるんですけど、あれも芸小です。

村上:いいライブなんですよ、なかの芸能小劇場でやるのは。

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野田:助けてもらったしな。2008〜2009年頃、吉本のライブがないときに「ネタ試したい」って言って、芸小でやってる「ヴっかけ!!ライブ」に出させてもらったこともありました。

村上:そうね、吉本のライブがなかったんでね。


――なかった、というと?

村上:結成当初の話ですよ。NSCじゃないから友達もいないし、誰も僕らのこと知らないんです。だから事務所内のピラミッド形式のライブしか出る場所がなくて。そうすると、ほかのライブに出るしかなかった。

野田:インディーズのときって、ノルマ払ってないライブがすごい嬉しかったです。「呼ばれてるってことは、これが仕事なんだな」って。1カ月のその回数をどれだけ多くできるかって時期がありました。いまノルマ払ってないもんなぁ。

村上:なんだったらライブのオファーもスケジュール合わなくて断ったりしちゃうときあるからなぁ。売れましたよね。

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――それこそモダンタイムスさんはじめ、インディーズの頃から一緒だった方などを集めたライブ「マヂカルラブリーno寄席」は、配信チケットが1万7000枚売れたと話題になりました。
チケットの購入期間や配信期限について、野田さんが会社と交渉して延ばしたというツイートされてましたよね。

野田:チケットの販売がライブ翌日の正午で終了だったんですよね。でも12時じゃなくて24時だと勘違いしてた人が多かったみたいで、逃した人たちから「どうにか買えませんか」っていうのが届いてたんで、さすがに申し訳ないなと思って。口コミで広がってたからもったいないなっていうのもありましたし、販売担当の人に連絡して延ばしてもらいました。7000枚売れてる時点で会社側も延ばしたがってるだろうと思ってたし。

村上:win-win-winくらいの感じだったんじゃないですか。僕らも演者も会社も。

野田:マヂカルラブリー単独ライブだったら普通に終わらせてたかもしれないですけど、モダンタイムスとか他事務所の芸人が出てたんで、良いほうにいったほうがいいなと思ってました。

村上:ほかにもああいうライブはめちゃくちゃあるのに、なんであれだけそんなに? とは思いますけどね。ひどさがちょうどよかったんですかね。


「決勝出場はゴールじゃない」とみんなに伝えたい

――もうひとつ配信ライブでいうと、年始の「東京よしもと最下位会議」(賞レースで最下位になった東京吉本の芸人が集まるライブ。マヂラブが発起人となって2019年から年1回開催)で村上さんが「東京吉本はすごいんだぞってところを見せられた」という話をしていて、すごく良いなぁと思いました。

東京よしもと最下位会議※1/5(火)過去フライヤーより

村上:本当にずっと東京吉本が最下位とってるんですよ。面白さはほとんど変わらないと思うんですよね。ただ漫才の大会だからしゃべくりが評価されて東京が最下位になってるんだったら、悔しいじゃないですか。そういう思いはずっとあったんで、最低でも東京の誰かがトロフィーを、もっと良ければ東京吉本の誰かが、いちばん良ければ自分たちが、って感覚でやってました。

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――そして見事に昨年チャンピオンに輝かれたわけですね。「M-1アナザーアナザーストーリー」(YouTube配信)で2017年の決勝のことを「ゼロか100かって言葉に酔ってた」、そこから「ちゃんと勝とうと思って勝てる確率がいちばん高いことをしていこう」と思った、と語られていました。具体的にはいつ頃切り替わったんでしょう?

野田:正直、2016年に思ってはいたんですよね。2015年に準々決勝で落ちたあたりで、まずいなと。ゼロか100か、青春してる感じはその年くらいまでで、「やっぱ決勝いかにゃならんのだな、じゃあウケないことには上がらねぇな」って思ったんです。ボケの一個一個を固めるのとか、すごい嫌いだったんですよ。「ここでウケる」「ここはウケるから使おう」って発想がすげぇ嫌いだったんですけど、やらにゃ、と思って進めてました。でも2017年に関しては、決勝がどういう舞台かわかってなかったんで。

村上:若干、決勝行くことがゴールみたいに思ってた部分もあるんでね。

野田:うん。これが人生で1回だけのチャンスかもしれないんだったら、めっちゃスベるかめっちゃウケるかのネタやっちゃおうぜ、みたいな空気感はありましたよね。

村上:「もう勝負でいいだろ」ってノリになってたんじゃないですかね。そしたらそこはゴールじゃなかった。これは本当に決勝目指してるみんなに伝えたいですね。

野田:簡単な話じゃないですけどね。だってフルマラソン走ったあとまだ泳ぐぜ、って言われても泳ぐことなんて考えられないですよね。フルマラソン走る段階のことしか頭にないのは当然ですから。

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村上:でもあるんすよ。

野田:帰り道があるんすよ。

村上:まだチャリもありますから。

野田:そう、チャリもある。でもずっとそれをやってますよ。優勝をゴールにしちゃってるから、今度はテレビに出るのを考えてないし……とか。結局それを繰り返していくんだろうなって思ってます。


――今やほぼ毎日のようにテレビにも出られていますが、やってみていかがですか。

野田:こんなにプライベートのことしか聞かれないんだ、って思いました。「ネタ全然興味ねぇじゃん」って(笑)。

村上:本当ずっとプライベートのことですね。僕より親を観たいんじゃないかと思うくらい。老夫婦なんだからほっといてあげてほしいんですけどね。


――たしかに、すでに何回二人のご自宅の映像を観たかわからないです。

二人:本当そうっすよねぇ。

村上:僕、別に人の自宅観たくないすよ。

野田:しかもまだ優勝から1カ月しか経ってないですからね。消費が早いっすね。

村上:すぐやることなくなるでしょうね。

野田:もう優勝から1週間で「つり革」やってなかったもんな。今プライベートの話やって、じゃあ3~4カ月後は何してるんだろうと思うんですよね。

村上:寝てるんじゃない?

野田:それか、別のことで大ブレイクしてるんじゃないですか? 歌ネタとか。

村上:そうなったら僕は田舎に帰ります。

野田:早い早い。

村上:市議会議員になります。

野田:全部早いって(笑)。

村上:「もうやだ~」ってなっちゃう。

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野田:あとはもう、こっちがバリエーション増やしていくしかないですよね。生きてきた人生は事実なんで、それをどう面白おかしく言うか。

村上:まだありますよ、嘘をつくっていう手が。「僕が少年院入ってたときに~」とか言い出せば。

野田:あぁ、そうね。「俺が難民に水を配ってるときに〜」って。

村上:それ言い出したら、そこから注目してください。

野田:エピソードが底をついたときの嘘を見てください。

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■マヂカルラブリー
2007年結成。2020年R-1ぐらんぷり優勝の野田クリスタル(左)、村上(右)のコンビ。M-1グランプリ優勝。


■インタビュー動画 「BEHIND THE STAGE」


■マヂカルラブリーインタビュー後編


■撮影協力
喫茶 絵夢

〒164-0001 東京都中野区中野5丁目52−15 中野ブロードウェイ 2F

なかの芸能小劇場
〒164-0001 東京都中野区中野5丁目68−7


マヂカルラブリーINFO

マヂカルラブリートーク
日程:2021年2月14日(日)18:30開場 19:00開演
会場:よしもと幕張イオンモール劇場
出演者:マヂカルラブリー/【ゲスト】トット


おおみや若手寄席 その壱
日程:2021年2月27日(土)11:45開場 12:00開演
会場:大宮ラクーンよしもと劇場(埼玉県) Googleで検索
出演者:マヂカルラブリー/アイロンヘッド/THIS IS パン/ボーイフレンド/ダイタク/9番街レトロ/ナミダバシ


ごちゃまぜSP~マヂカルラブリーが超若手と話すライブ~
配信日時:2/27(土)配信開始18:00 配信終了19:00(17:45よりOPEN)
     ※見逃し視聴は配信開始から3/1(月)18:00まで※
概要:M-1王者マヂカルラブリーが超若手芸人とネタをして対談もする60分
出演者:マヂカルラブリー/大仰天(プロダクション人力舎)/ナミダバシ/銀兵衛(マセキ芸能社)/9番街レトロ



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ライター/斎藤岬 撮影/越川麻希
スペシャルインタビューMOVIE:CAMSIDE

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