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ストリップ劇場で働いていた体験記~赤青緑のパーライト~ たくみ

たくみの連載小説。
自身の経験に基づいた「ストリップ劇場のバイト」のお話をストレートな気持ちで綴ります。

働き出した頃

新宿にあるストリップ劇場。
そこで僕はバイトをしています。

面接を終え働く初日。緊張している状態が誰の目にもわかるくらい挙動不審な歩き方で劇場の階段を降りて出勤をしました。

初日は他のスタッフの方が働いているのを見ながら教わることになりました。
コンビ二や飲食店のバイトならどのように働くのかがまだ想像がつきますが一度も訪れた事のないストリップ劇場のバイトは何をするのかもよくわかっていませんでした。

そもそもストリップ劇場いやストリップ自体がどういったものなのかもよくわかっていませんでした。

先輩スタッフに説明を受けながらストリップは大体が一日三から四公演ショーがあり
踊り子の方が四人から六人の香盤で
十二時から二十三時まで営業しているという事がわかりました。

お昼から出勤したので薄々わかってはいたのですが改めてこんな早い時間から営業しているんだと驚きました。

公演の内容も
踊り子さんの演目
写真撮影
オープンショー
これが六人分繰り返し

それの四公演
香盤、踊り子の方が十日感覚で変わっていくそうです。

そういったことを教わりながら
チケットのもぎりなどからはじめていきました。

次に教わったのがお客様からの差し入れを踊り子のお姐さんに渡しに行くことです。
これがとてつもなく緊張します。いやそんなん渡すだけなのだから簡単なことだろうと思うのですが人見知りな自分にとっては超絶難易度の高い業務で慄きました。

劇場の楽屋。扉をノックし開けると六人のお姐さんがそれぞれの時間を過ごしていてその中で○○さん○○さんからの差し入れです。と言う行為の難度さたるや途方もなく恐怖心が湧いたものです。

そんなことを教わりながら初日の勤務を終えて何回かそれを繰り替えし一カ月が過ぎた頃
そろそろ照明もやってみるか。
店長にそう言われました。

照明を。初めて見たあのとてつもないショーの照明を自分がやらなければなのか。
やっと楽屋に差し入れを届けるのに慣れたくらいのスタッフが次は照明を。
何を言っているんだ。

そう本当は思いながらストリップ劇場の照明をすることになりました。

たくみ(1990年8月14日)(31歳)
千葉県船橋市出身、NSC東京校20期
ナミダバシとして5年間活動、昨年解散を発表。

著者/たくみ

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