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Dolce vitaのその後

2023年度冬公演のブログリレー、なぜか一番手のビビです。
稚拙な文章と滔々に記す語り口が特徴です。

今回のテーマは「甘くない話」


私の中で甘くなかった話と言えば「留学」です。
厳密に言うと留学期間はとっても楽しかったです。
人生2回目の青春だった。甘くなかったのは、留学後の話


私はイタリア北部のトリノに約10か月間交換留学しました。
留学に行く前の20歳の私は本当に何も知らないただの小娘でした。
23歳の今もまだそうだけど、当時はお話にならないぐらい何の知識も経験もなかった。

そして日本から遠く離れたイタリアで文字通りあらゆることを初体験します。例えば、
・入国早々ロストバゲージで荷物の大半をロスト
・詐欺に遭って50€失う
・スマホ・PC・財布(クレカ・キャッシュカード数枚含む)等、あらゆる貴重品をひったくられて警察の厄介に→軽いPTSD状態に陥る
・初の失恋(大大大失恋)&一番信頼していた人からの裏切り
・初めてLGBTQの友達ができる
・初めてのお酒の失敗とアルコールリセット術の体得
・初めてタバコを吸う
・移民局でカスみたいな扱いを受け、無駄に4-5回呼び出される。
・朝っぱら(6時)にお焼きを焦がして寮の火災報知器を作動させる
・1か月間のイタリア放浪旅行
・一時的な関係と遠距離恋愛

イタリアで4番目に治安が悪いトリノ


この他にも日本では得られないような経験を沢山得た私は、イタリア語が向上していたことも相まって帰国が差し迫った頃には溢れんばかりの全能感を感じていました。「今なら空も飛べる気がする…!」が当時のビビの口癖です。
だから帰国して自分がどれだけ成長したのかを実感するのが楽しみでした。

だけど、日本で感じたのは自分の凡庸さでした。

ちょうど帰国した時期が実家の家業の繁忙期で家の中が"終わって"いて、留学生活との緩やかな切り替えができず、前時代的なビビ家の生活に無理やり押し込められたというのもあります。

それから帰国後日本で就活を行う際に留学エピソードをガクチカで話そうと目論んでいたのですが、自分にとってどの経験も自分に大きな影響を及ぼした大切な思い出だったから、打算的に就活受けが良いエピソードを上手く選べなかったし、聞きごたえがあるよう話を盛ると上手に感情をこめられず、曖昧で抽象的にしか話すことができませんでした。

それで面接で落とされるたびに自分の留学経験にそのもの自信が持てなくなっていきました。あれ?留学を経て成長したつもりだったけど実は意外と大した事ないんじゃね?って。
一切留学のことをガクチカで話さないようにしたら通過するようになりましたがねHAHA。

留学中はちょうどコロナ禍だったので現地にアジア人の留学生や観光客は少なく、日本人は存在するだけで歓迎されたし、言語面においても生活面においても出来ることが少しずつ増え達成感を感じる毎日でした。
だけど帰国後、日本に居て当たり前の私は自分の存在意義を見失ったり、親と価値観のずれを感じたり、一次面接は通過できず人間関係は上手くいかずで、思うようにいかないことばかり。

超辛かった。

今でもよく思います。
私、何一つ上手にできない。
バイト先では皿を何枚も割るし、今日もバイト先でトッポギのたれを間違え、同学年の奴らに「でしゃばるなすっこんでろ」と言われました。
いつか〇す。
昔はもっと器用な人間だったと思うんだけどなあ。

ちなみにこの話にオチは無いです。
だって今も凡庸or不出来な自分に落ち込みがちだから。
早く春が来るといいな。そんな感じ。
ビビンバでした。

~宣伝~
劇団ダダン冬公演「オカシナヤツラ」

2月9日  (金)18:00~
2月10日(土)14:00~/18:00~
2月11日(日)13:00~/17:00~
会場:雑遊(新宿三丁目駅 徒歩1分)

次のブログ担当は、昔は英国紳士っぽいと褒められていたけれど、近頃は全世界俺の彼女ムーブとして非難轟轟、みんなの人気者Harry氏です。









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