7. ひとりひとりのものさしの話。

居酒屋バイトしてた頃の先輩が就職すると聞いた。
その先輩は高校卒業してから保育園で働いていて、でも資格も持っていなくて給料が安かったらしい。だから夜も稼ぐために居酒屋のバイトをしていた。

とても良くしてもらっていたし、いい人だしまあ普通に好きだったんだけど私はどこかその人を見下していたところがあった。
考え方、見た目、男関係のだらしなさ。多分私とは考え方が違う、というだけなんだろうけど。
(まあこういう一切を本人にはもちろん周りの人には言っていない、心の中でずっとそう思いながらへこへこやってきた。)

で、その先輩がバイトをやめて就職する、正社員になるというのでお祝いの席を開き、飲んで話を聞いた。すると、先輩は居酒屋の正社員(バイトしていたのとは全く関係のないところ)になるらしかった。

それを聞いて私、拍子抜けしてしまった。え?居酒屋?これからのキャリアのために今までとは違う、事務とか営業とかやったことない仕事するんだって聞いてたから。

でも、本人が喜んでいるし、私には別にそんなに関係があることでもないから「おめでとうございます。よかったですね!!」って言った。だけど私にとって居酒屋に就職するっていうのが自分の中の「正解」になくて。

というのも私は学生時代居酒屋で働いていて、天職だな、と思うくらい楽しかったし、やりがいもまああった。だけど、バイトとしては楽しいけど飲食の社員ってないよね~、と大学の友達と話していた。私たちのような生意気なバイトの相手、バックレたスタッフの代わりに休みに出てきたり、勤務時間は長いし、バイトがやりたがらない汚い仕事だって、社員さんは他に投げれる人がいないんだからやれる人がいなかったらやらなきゃいけない。ただ楽しく腰掛のバイトと、それを生活の軸として生活の大半を費やす社員としてやるのでは、全く別物。それに、まあそれなりの大学出て、就職先が居酒屋なんて、なんだかもったいないし、恥ずかしい、みたいに思っていた気がする。

だけどここで私の中にモヤモヤが生まれた。まず、自分の中に大きくある「もったいない」という感情。なにこれ?じゃあ何だったら自分に見合って、なんだとだめなの?その基準は?しかもめちゃくちゃ上からだな、ほとんど何にもできない私が社会に対して超上からだな。

私の中の「基準」を書いてみようと思ったんだけど、考えてみたら殆ど思いつかなかった。自分の中にありもしないなんとなくのイメージで考えてたんだな…マジ浅はか人間だよ…
(一応下に書いてみた。)


・お給料のライン(初任給で最低20万円切るところなんてありえないと思っていた)
・勤務時間等の労働条件
・「誰でもできる」仕事でないこと

こう考えてみると、「誰でもできる」仕事でないこと、というのは自分にとって大きかったのかもしれない。実際には、誰にでもできるキャパというか、誰もが持っている能力で対応できる仕事、ですね。その能力はあるけどやりたくない、続けられない、できなくないけど向いてない、とかいろいろあると思う。だけど、一大学生で一通りマスターできてしまうようなお仕事は、なんかその先に描けることが少なくてつまらなそうだな、と感じていた。

だけど、今回の話に戻りますが、自分がそう思うのは勝手だけど、人のことを自分の物差しで見て、勝手に評価するのって良くないな、と思った。だって、その先輩からしたら今している仕事よりも給料が良くて、初めての正社員でこんなコロナ渦に採用してくれて超ハッピー!なんだから。その人はその人の考え方がある、そこへの意見を求められたらそれは答えるけど、求められてもいないのに自分の尺度でものを見ないほうが良いのかな、と感じましたね…

さてこんな私がじゃあ今仕事バリバリやれてるんですか?「誰にでもはできない仕事」をやれているんですか?と問われるとYES!!とは言えない状況で。どれどころかこないだまで毎日やめたいよ~やべえよこの会社、と親に泣いてた始末。だから、変なプライドとか自分の考えに固執して涙涙のネガティブエブリデイになるくらいだったら、もったいないとか将来性とか考えずに自分の今のものさしで測れる範囲のしあわせを手に入れるために動いていきたいです、え、これ何の話?また支離滅裂ちゃんだよはあ。。。


けじゃん。

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