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withコロナを乗り越えるために「あっせん」を活用しよう!

コロナ期の融資あれこれ。今回は「あっせん」について説明します。

あっせんとは

「あっせん」とは漢字で書くと「斡旋」となります。中小企業・小規模事業者が金融機関から融資を受ける時に、各自治体に相談することで借入の斡旋を受け、利率や保証などについて自治体から補助してもらう制度のことです。

例えば、世田谷区のあっせん制度を見てみると以下の通り様々な制度があります。(実際のサイトはこちら

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この制度は、各自治体が地域内の企業の経営を支援するために金融機関、保証協会が協力して成り立っています。そのため、自治体自体が融資をするわけではなく、あくまで融資を実行するは金融機関であるところに注意が必要です。また、利用できる金融機関も当該自治体にある支店になります。(通常のあっせんについては別の機会とし、今回はコロナについて説明します。)

コロナとあっせん

 今回のコロナ禍でも各自治体で多くのあっせん融資支援策が出されています。試しに、世田谷区、渋谷区、多摩市で比較してみました。世田谷区と渋谷区は独自のあっせん制度を設けていますが、多摩市では通常のあっせん制度の利用時の補助が手厚くなっています。このように各自治体で内容が異なるので、確認してみてください。(コロナのあっせんは通常よりも斡旋書の発行がゆるくなっています。コロナのあっせんがない多摩市は通常と同じレベルでみられる可能性があることは注意してください)

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 注意が必要なのが各自治体のあっせんはその自治体で1年以上事業を継続していること(創業の場合は特例で認められるケースあり)が大前提になっています。そのため、1年以内に本社所在地を移転している場合は使えないケースがほとんどです。(これはコロナでも同じで制度の盲点といえば盲点なのですが、ここは仕方がありません。)
※5/1一部自治体ではこの条件の救済も出ているようです・

あっせんの利用方法

1.あっせん予約
 各自治体のあっせん窓口へ相談の予約を入れます。(通常は窓口が多いのですが自治体によっては郵送や金融機関経由となっているケースも出てきています)

2.持ち物の準備。
 このとき多くは、以下が必要となります。何が必要かは各自治体のサイトに記載されています。面談の時に忘れるとあっせん書を発行してもらえないので注意しましょう
 ・2期分の決算書
 ・登記簿謄本(個人事業は住民票)
 ・納税証明書
 ・法人実印
 ・直近の売り上げ根拠を示す資料
  (コロナの場合は売上減があっせんを受ける前提となっているため)
 ・飲食店、美容院、不動産など許認可が必要な業種は許認可証
 ・信用保証協会を利用中の場合は借入金の残高証明
  (これは保証のところで話をした枠の残りを確認するためです。)

3.窓口相談
 対面での面接が必要な場合は、各自治体の指定の場所で面接を行います。このとき、2の持ち物を持っていき、コンサルタントの人に対してどうしてあっせんを受ける必要があるのかを説明します。(まっ、大抵は向こうから必要なことを話しかけてくれます。)面談の結果問題がなければ、あっせん書の申し込み書を記載します。
 このとき、融資希望額、借入先金融機関、期間(据置の有無)、使途を記入します。
 融資希望額は融資金額を保証するものではないことには注意が必要です。金融機関への申し込み時に金融機関と信用保証協会の間の協議があり希望額以下となる可能性みあるためです。そのため、必要な額よりも多めを希望した方がいいかもしれません。(運転資金としては月商3ヶ月分が必要と言われています。)
 使途については、今回のあっせんの目的がコロナを乗り越えるための運転資金ということです。元々運転資金がそれほど必要のない事業であるとか、コロナを機会に新規事業を始めようという場合の資金ではないので注意しましょう。目的と異なる内容の場合はこの面談の段階で断られるか異なる制度をあっせんされることになります。最後にあっせん書を自治体から受け取ります。

4.金融機関への融資申し込み
 あっせん書に記載の借入先金融機関へあっせん書を持参し融資をお願いします。こののちあっせん書の内容と事業状況をみて金融機関と信用保証協会で協議されたのちしかるべき金額の融資が実行されます。

まとめ

 このようにあっせん制度は自治体に納税してくれている事業者に対して、事業を継続してもらうために、融資を受けやすくしてくれる制度です。そのため、今回のコロナでも様々な施策を各自治体が打ち出していますのでまずは確認し、使える場合は積極的に利用していきましょう。(ただし、借金には変わりがないのでそこは注意)

追記:4月下旬現在どこの自治体もあっせん窓口は相当に混雑しています。早急に資金が必要な場合は取引先金融機関や持続化給付金の活用など確実に資金が手元に入る方法も並行して活用していくことが必要です。

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