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エストニアの電子政府

noteを始めたのは4年ぐらい前で、その頃に書きかけの記事がいくつかあったので、そちらの続きをと選んだのがエストニアの電子政府についてでした。

ちょうど2019年の秋なので4年前に診断士の支部のイベントでエストニアの電子政府について話をしました。当時は、その1年ぐらい前からエストニアの電子政府がすごく進んでいるということで話題になっていた時期です。

私も、その頃に参加した勉強会「Beyond the coworking」と言う、これからの興産信金を考えるイベントの参加者が、エストニアへ行って会社を立ち上げた日本人がいると紹介されていたのを聞いて、本人にコンタクトをとって、e-estoniaというエストニアの電子政府への登録を手伝ってもらっいました。これがきっかけで、日本でもいずれ電子政府が導入されるだろうと、エストニアをテーマに2年ほど活動していたのがこの頃でした。

診断士協会でエストニアツアーを2020年5月に企画して、チケットの予約までしたところのコロナで全てが中止になりました。あれから3年以上が経ち、電子政府を取り巻く環境も変わってきました。

特に、日本ではコロナ禍でこれまでのアナログな政府の弊害が色々と出てきて、一気に電子化へ舵を切っていったように感じています。
とはいえ、マイナンバーカードの浸透は途上ですし、使い勝手もまだまだ良くないですが、多くのことがこれでできるようになったのは進歩だと感じています。

マイナンバーカードについては一般のサラリーマンより何かしら事業を行っている人の方が使う局面が多いと言うのは、行政関係の手続きをする頻度が自ずと高くなるからですね。

エストニアの電子政府自体は今ももちろん健在です。e-estoniに参加してから案内メールが来るのですが頻繁にアップデートされていて常に使い勝手の良さが追求されているのは強みですね。

この仕組みの中で、行政のほとんどのことが可能で、「結婚」と「離婚」だけはダメということですが、こちらは人生の大きな決断でもあり相続等の問題も出てくるので、納得行きますね。私が知っていた頃は「不動産」もNGでしたが、こちらはできるようになったみたいです。また、最近のニュースではこの仕組みの中で、選挙の投票も電子投票が可能なんですが、直近の選挙で電子投票を利用したひとが半分を超えたとのことでした。すっかり生活に密着しているようです。

そもそも、なぜエストニアがここまで電子政府に積極的だったのかというと、「旧ソ連の脅威」があったからです。そして、エストニアには旧ソ連の情報関連の施設があった関係で崩壊時にエストニアにはIT技術者が多くいたとのこと。再びのロシアの脅威から自分たちを守るために考えたのが、ITだったわけです。
e-estoniaの電子市民は世界中から参加が可能です。ということは、人口が少ないエストニアでもこの仕組みを各国の起業家に使ってもらうことで、仮想国民を増やせるわけです。そうするとロシアも手が出しにくい。

というのが当初のコンセプトでした。今では同様の仕組みが世界各国に広がっていて、一種経済的な優遇策で、スタートアップ誘致に積極的なようです。というのも、電子政府は他国民が立ち上げが企業が自国の税収につながります。なので、国間でのスタートアップの取り合いになっているともいえますね。

エストニアの場合はEU加盟国なので、例えば日本にいながらにしてEUの会社を設立できるので、EUでのビジネスがしやすいというメリットがあるわけです。しかも、税金は日本よりも安い。ただ、日本向けのビジネスオンリーだと色々と手間がかかるので向かないともいえます。コロナ前はこの手の話が結構盛り上がっていましたが、今はエストニアの隣国ロシアがウクライナ侵攻していて、リスクも上がっているのは気になるところです。

これは、電子政府に限ったことではありませんが、日本国内のみのビジネスではなかなか厳しいのが実情。海外でビジネスをやるというのも選択肢に入れていく時期なのかもしれません。

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