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子供達の奮闘〜空中ブランコ〜②

焦り

サーカスの練習が進むにつれて、Nicoの顔が曇り始めてきました。心配していた通り、自分だけができないという事。自分が一番小さく、手を伸ばしてギリギリ届くか届かないかの位置につかまって、足を鉄棒まで上げなくてはいけないけれど、それができない。

どう頑張っても無理そう……

もともと腕の力が強くないNicoは日本にいた時、逆上がりの練習で苦労していて、結局できるところまでやれなくてこちらに来てしまっていました。「自分だけできない。自分はダサい、ちっぽけ。」と行きのトラムの中で涙目になるNico。言葉の問題がなければまだしも、同じグループのクラスの子は1人もいないので、そういう時に声をかけてくれる友達もいないのです。

とにかく下を向いていてはいけない。この国ではうまくできるかどうかは関係ない、やってやるぞって気持ちで頑張っておいで、と励ましつつ、内心はもっと優しい科目がいくらでもあるのに、空中ブランコを割り当てられたことが恨めしく思ってしまいました。

午後、迎えにいくと、今日は昨日できなかった課題のうち1つがなんとかうまくいったんだといって、Nicoもホッとした様子でした。その調子でやったら明日の本番はもしかしたら出来るかもよ、と気休めではありますが、たくさん褒めてあげました。

どうにか無事に終われますように…

<続く>

#学校生活 #ドイツ#海外生活#サーカス

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