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【ルーフの笑窪】

僕の愛車は〈日産デュアリス〉という10年以上前の車だ。1年半ほど前に中古で購入したのだが、走行距離が38.000kmという低走行距離に加えて、ボディにも傷がない綺麗な車なので大変に気に入っている。

ところが先日、とある銀杏の並木通りをゆっくりと走っていた時であった。

「コ~~ン❗️」

車の屋根に何かが落ちてきたような音がしたのだ。嫌な予感がする。

〈えぇ~~なんだよぉ、銀杏の枝でも落ちてきたのかな❓️傷でも着いていたら嫌だなぁ〉

直ぐに停車できる場所があったので、車を止めて屋根を見てみた。

〈ガ~~ン❗️〉

屋根に小さな笑窪が出来ているではないか❗️しかも真ん中が傷になっているのだ。一挙にテンションが下がった僕なのであった。

僕のデュアリスのルーフは、前4分の3がガラス張りになっていて、後ろ側の4分の1が普通の鉄板の屋根になっているのだが、その鉄板の1ヶ所にエクボが着いてしまったのだ。

小さな傷が、僕の心に大きな傷を付けてしまったのだった。傷のことが気になってしょうがない。運転しながらどうしたものかと対策を練るばかりであった。

〈板金修理に出す程の傷じゃないしなぁ・・タッチペン塗ったって目立つしなぁ・・〉

そんなことを考えていたら、フと思い出したのだ。

〈そういや、リヤガラスに貼り着けてあった車屋のエンブレムステッカーが剥がれてたよなぁ・・捨てずに取っておいたはずだぞ。ボディーと同じ黒だしな〉

それは、指1本くらいの大きさで、厚みが1mmくらいの楕円形をした樹脂製のステッカーである。

〈そうか❗️傷口にタッチペンを塗っといて、その上に両面テープでステッカーを貼りゃいいかも❗️〉

善は急げだ。直ぐにカー用品店に寄って〈タッチペン〉を購入、続いてホームセンターに行って〈両面テープ〉も買って、急いでうちに帰ったのである。

家に着くや、早速DIY補修を開始。

結果は狙った通りに傷と凹みが見えなくなったのだ。そして、車屋のエンブレムがワンポイントになっただけで全く違和感のない素晴らしい仕上がりになったのだ。返ってカッコ良くなったくらいである。傷の位置が中央だったので、左右がシンメトリーになったことも良かった。

車の傷が消えたので、僕の心の傷もやっと落ち着いてきたのであった。


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