見出し画像

【湯船の中】

家内が帰ってきた。

「お帰りぃ~お疲れさん。風呂入れといたから先に風呂入れよ」

「ん~・・入ろうかな❓️」

「入れ入れ、疲れがとれるから」

「まぁ優しいのね❗️どうしたの❓️」

「夫の愛に決まっとるじゃないか」

「ハイハイ」

「そりゃいいんだけど、上がる時に湯船に〈★★毛〉を残すなよ。僕だって出る前に〈◆◆毛〉が泳いでないか垢が浮いてないかチェックしてるんだからな。エチケットだエチケット」

「まっ❗️なにそれ❗️ 神経質過ぎるよ❗️」

「ハハハッ❗️・・冗談冗談。S子のだったらすくって大事に取っとくわ・・なんて言うと思ったら大間違いじゃ。新婚じゃあるまいし、きしゃない❗️」

「まっ❗️失礼ね❗️」

・・・・・・・

暫くののち、風呂から上がってきた家内が言った。

「あ~いい湯だったぁ~っ❗️・・父さん❗️上がる前に湯船の中に〈毛〉が沈んでないか何回も見たんだからね」

夫婦・家族と言えども、後から入る人のことを考えて湯を使うのが、古来からの日本人の美徳なのである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?