【石油ストーブ】
「チョッと聞いてくれるかぁ?」
友人が浮かぬ顔をしてそう言った。
「えぇ~?何かあったんかぁ?」
「ウチにさぁ・・古い石油ストーブがあるんだけどさぁ~・・ほら、ここんとこ寒くなってきただろ?女房にやいのやいの言われて倉庫から出してきたんだよ」
「僕も女房に言われないと出さないな」
「それがしゃべる石油ストーブなんだ」
「へぇ~古い割りには凄い機能じゃないか!で、なんてしゃべるんだよ」
「それがさぁ、当時は最新の機能だったらしいんだけどさ、部屋の空気が濁るって言うか、悪くなるって言うか、そうしたらしゃべるんだよ。換気してください❗️換気してください❗️って」
「おぉ~いいじゃないか」
「それがさぁ、火を点けた途端に言い出すんだぜ。いま点けたばっかりなのによぉ。ズ~~~ッ❗️っとしゃべりっぱなしなんだよ。うるさくてうるさくて」
「・・・新しいの買えよ❗️」
「ホント頭悪いストーブだよ」
「でもさぁ、絶対に一酸化炭素中毒にはならんよなぁ」
「一酸化炭素中毒にはならんけど風邪ひいてしまうわぃ」
そう言って憤慨する友人なのであった。
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