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【パラソルチョコレート】
僕が小学生の頃だっただろうか、閉じた傘の形をした〈不二家のパラソルチョコレート〉というチョコレートがあった。ちゃんと鍵型の取っ手が付いていて、本体が円錐形のチョコレートで型取ってあった。
水玉模様やボーダー柄の、カラフルな紙だったかフィルムだったかで包装されていて、取っ手のところで絞ってある。
包装を剥がすとチョコレートが姿を表すのだが、当時は贅沢品のチョコレートだ。小遣いでしょっちゅう買えるものではないので、食べるのが勿体ないような気持ちになったものである。
チビチビと、尖った先っぽの方から舐めていく。やがて総てのチョコレートが無くなると、傘の芯が1本のステッキのようになって残った。
そして、チョコレートの味を思い出しながら・・・もう甘くもないステッキを2・3回舐めた後、未練タラしくゴミ箱に捨てるのだ。
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