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【ハンガー】

4日間ほどの出張に出た。

無事に2日目の仕事が終って部屋に帰った。ホッ❗️するひと時である。

さて、取り敢えずコンビニで買ってきたビールでも飲もうかと思って、レジ袋の中からビールとオツマミ類を取り出してテーブルの上に並べる。

さぁ飲むかと缶ビールのプルトップに指を掛けた時である。急に背中が痒くなってしまったのだった。

背中が痒くては落ち着いてビールが飲めないではないか・・

ところが〈孫の手〉を持って来るのを忘れていたのである。

〈うぅ~~背中が痒い❗️〉

しかしどうしても手が届かない。

〈うぅぅ~~~っ❗️〉

何か背中が掻けるものはないものかと、部屋中を見回したのだがそんなものがある訳がないのだ。鴨居に数本のプラスチックハンガーがブラ下がっているだけなのである。

〈・・・・・・・これしかない❗️〉

僕は立ち上がって1本のハンガーを手に取って背中に回し、服の下から痒い所を目掛けてゴシゴシしようとしたのだが、〈はてな型〉のハンガーのフック部分が服の裾に引っ掛かって奥まで入らない。やっこらさ入ったかと思ったら、孫の手のように先が曲っていないので、今度は掻いても掻いても中々いい所に当たらないし、当たっても効かないのだ。

それでも暫くの間ゴシゴシやっているとなんとか痒いのが治まったのだった。

執念のハンガー掻き掻きであった。

出張時や、彼氏・彼女がいない寂しい人がひとり旅に出る時には、是非とも〈孫の手〉を持参されることをお薦めする。


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