【市松人形】
家には〈市松人形〉や〈木目込人形〉などの日本人形が数体ある。以前は部屋に飾っていたのだが、今では倉庫の中で眠っている。
倉庫を整理していた家内が言う。
「父さん、人形どうするぅ~❓️」
何れも古い物ばかりなので、どうしたものかと持て余しているのだ。
「どうするって、棄てる訳にはいかんだろ」
「棄てられる訳ないじゃん❗️」
「人形には魂が宿るって言うもんなぁ。棄てたのに朝起きたら枕元に立ってたとかって話を聞いたことがあるぞ」
「わっ❗️止めてよ❗️・・じゃどうしたらいいのよ」
「人形をお焚き上げしてくれるお寺とか神社に持って行くしかないだろ」
「それって何処にあるの❓️」
「知らんわ、ググったら直ぐ出てくるだろ」
「そうだね」
「でもさぁ、お焚き上げで火の中に人形を放り込んだ瞬間にギャ~~ッ❗️って叫び声が聞こえたって話もあるらしいしな」
「えぇ~~っ❗️」
「やっぱり魂が宿る人形があるんだろうなぁ・・で、帰ってくる人形の場合だけどさ」
「え❓️なになに❓️」
「何処かの神社でさぁ、人形を預かってくれる神社なんだけどぉ・・その神社で預かってた人形がさぁ、家に帰って来たってことがあったらしいんだよ。元の持ち主の家に帰ってたんだってさ」
「うわ~~っ❗️」
「で、ある時、神職が監視カメラを設置した訳よ」
「ふんふん」
「そうしたら、人形の持ち主がやって来て持って帰ってる姿が映ってたんだってぇ」
「えぇ~~❗️」
「要するにさぁ、人形が主人を使って運ばせたってことらしいんだな。持ち主に記憶は無いんだって」
「ぅわぁ~~❗️・・って、なんでそんなこと知ってんのよ。どうせ〈YouTube〉かなんかの動画のネタでしょ❓️ホントの話なの❓️」
「ピンポ~ン❗️〈YouTube〉だけど、じゃあ人形、棄ててみるか❓️」
「嫌よ❗️」
「そ~~らみろ」
結局、〈市松人形〉たちは今後も倉庫の中で眠り続けることになった。
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