【ブラッディマリーの女】
家内に〈ブラッディマリー〉を作ってやった。ウォッカをトマトジュースで割った定番カクテルである。
尤も、家のはウォッカの代わりに、麦とか米の焼酎を使った〈似非ブラッディマリー〉なのだが、取り分け問題のない程度には美味いのである。
「わぁ~~っ❗️父さんありがとぉ~」
出来上がったカクテルを見た家内は大いに喜んで、1ヶ所に切れ目を入れたレモンスライスをグラスの縁に刺し立てて悦に入っている。
そして、たまたま近くにあった付け合わせ用の〈プチトマト〉をひと粒摘まんで、〈ブラッディマリー〉のレモンの隣に並べたのであった。
〈おっ❗️家内にしては中々センスのいいことをするじゃないか〉
と思ったら、こともあろうに、その〈プチトマト〉を人差し指で押し沈めたのだ。
思わず口に出た。
「おい❗️レモンの横にプチトマトがあるのがいいんだぞ❗️沈めるなよ」
「あっそうなの❓️別にいいじゃん❗️」
「あのなぁ・・・」
折角の〈デコレプチトマト〉が、全く見えなくなってしまったのである。
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