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【感染 ①】

枕元のスマホが鳴った。電話の呼び出し音だ。早朝から電話だなんて誰からだろうか・・

「はい、もしもし・・」

〈あっ!もしもしぃ、早くから申し訳ありません。〇〇さんのお宅の〇〇さんでしょうか?」

「はい、〇〇です」

「わたくし●●医院の■■と申しますが・・」

「あっ!昨日はどうもお世話になりました」

それは、昨日診察を受けた内科医院の先生からの電話であった。

〈コ◆ナ渦〉のご時世である。微熱と頭痛と下痢の症状が出たために念のために病院に行ったのだ。

結局その電話は〈コ◆ナ〉の陽性を伝えるものであった。

「〇〇さんに陽性反応が確認されましたのでお知らせ致します。追って保健所より連絡がありますので、以降は保健所の指示に従って頂くことになりますのでよろしくお願い致します」

努々ゆめゆめ思ってもいなかった〈新型コ◆ナ〉の陽性感染者の洗礼を受けた瞬間だった。

(混ぜるな危険❗️)のような漂白剤じゃあるまいし・・

(近寄るな危険❗️)ということで、僕は〈危険人物〉になってしまった。

〈コ◆ナ〉自体が騒ぎ過ぎだと思っていたし、今回の症状にしたって大したこともないのだが、濃厚接触者になる家族のことを考えると放ったらかしにすることができなかったのである。

しょうがない、ここは神妙になって保健所からの連絡を待ち、その指示に従うことにしようか・・


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