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【コクピット】

早朝、車で家出た。広島から奈良までの長距離ドライブだ。

朝靄あさもやの中、愛車〈デュアリス〉は、〈尾道道〉を〈国道2号線〉方面に向けて走っていた。

運転席の僕は走行音を聴きながらハンドルを握っている。すると何故だか〈神風特別攻撃隊〉の「零式れいしき艦上戦闘機」のことを想像したのだ。

これが〈零戦〉の操縦席なら、ハンドルならぬ操縦桿を握って、敵艦に突っ込んでいったんだろう・・・

19歳の特攻隊員もいたと聞く・・・

〈猛烈な対空砲火の中を、250㎏爆弾を抱えて敵艦に突っ込んでいったんだよなぁ・・〉

ハンドルを握りながら、そんなことを思ったのである。

・・・・・・・

戦後の左翼教育で、〈特攻攻撃〉は無駄死にだったなどと教え込まれた我々であるが、実際は、アメリカ軍に甚大な被害を与えたのが事実だという。


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