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【落ち鮎】

小倉に住んでいる弟が遊びに来た。お土産に〈高菜漬け〉と一緒に〈鮎〉を持ってきてくれた。

〈鮎〉は釣って直ぐに冷凍したものだという。

弟は〈釣り〉と〈ゴルフ〉が趣味で、持ってきてくれた〈鮎〉は、熊本県の球磨川で開催された「鮎釣りコンテスト」で釣ってきたもので、コンテストの成績は参加者43人中10位だったそうだ。

秋になって産卵のために川を下り始める〈鮎〉を〈落ち鮎〉というが、その〈落ち鮎〉を釣るコンテストで、充分に育った〈落ち鮎〉は大きいものばかりだ。

塩焼にして食べたが、やはり〈鮎〉は臭みが無くて美味うまい。特にはらわたのあの苦味がなんとも言えず美味いのだ。苔が主食だから生臭さがない〈鮎〉は、さしずめ渓流の貴婦人といったところである。

「父さん、はらわたって美味おいしいんだね❗️」

「そりゃそうだよ。今ごろ気が付いたのか?〈鮎〉のはらわた喰わなきゃ〈鮎〉喰ってる意味無いぞ」

家内が〈鮎〉の美味うまさに開眼した。

今日は家内の「鮎のはらわた記念日」になった。


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