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【振り子の柱時計】
家内と息子と僕と3人で、とある親戚に行った時のことである。
その家の廊下の柱には〈古い柱時計〉が掛けてあった。しかし時間が明後日の方を示している。振り子が止まっているのだ。
〈こりゃゼンマイを巻いてやらんとダメだな〉
そう思ったので、ゼンマイを巻き直してやろうと「よいしょ❗️」と背伸びをして、柱から時計を外して下におろした。
すると、それを見ていた親戚の叔父さんが言うのだった。
「おぅ、そりゃゼンマイを巻かんでもええど」
「えっ❓️そうなんですか❓️」
「おぉ、動かしたら夜中にボンボンうるさいけぇのぉ」
音で時間を知らせてくれる〈柱時計〉が、今や邪魔者扱いされているのだった。
「ボンボンってなんなん❓️」
息子が不思議がってそんなことを訊いてきた。
「ボンボンを知らんのか❗️」
「なにそれ❓️」
「時間が来たらボ~ンボ~ンって音が鳴るんじゃ」
「鳩時計❓️」
「鳩時計はピポピポだろう。ボ~ンボ~ンって鳴るんじゃ・・時間の数だけ鳴るんだぞ。12時だったら12回も鳴るんじゃ・・で、半の時はボ~ンって1回鳴るんじゃ」
「半❓️」
「8時半とか、10時半とか」
「あぁその半ね。30分のことだ」
なんと、平成生まれの息子は〈ゼンマイ式柱時計〉を知らなかったのだった。
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