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【予想外】

あるところで〈お話〉をしなければならなくなった。まぁ、ミニ講演みたいなものだ。

因みに、僕はシッカリと原稿を書いておかないと話せないタイプである。だから早く原稿を書かなければならないのに、書く気になったのが僅か3日前だった。

そして出来上がった原稿は支離滅裂であった。前日の夜まで推敲を重ねたにも拘わらず、どうもシックリこないのだ。かと言って今さら書き換える時間もない。

次の日、意を決してその原稿に添った話をした。その内容は、〈怪談話〉と〈量子力学の話〉と〈生まれ変わりの話〉と〈魂〉というブッ飛んだものであった。

終った時には後悔の念しかなかった。

〈あ~ぁ、やっぱりこんな話なんかしなけりゃよかったなぁ・・・〉

やっぱり気負い過ぎたテーマが間違いだったのだ。もっと当り障りのない話にしておけばよかったのだ。

ところがである。思いの外、自分の低評価とは裏腹に、聞き入ってしまったとか、もっと話が聞きたかったなどの有り難い評価を頂いたのだ。

自分の評価なんて自分じゃ出来ないのだった。人の評価は他人ひとが決めるものなのであった。


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