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【カップ焼そば】

もう随分まえの話である。

・・・・・・・

世間では既に〈カップラーメン〉がスタンダードになっていたが、〈カップ焼そば〉は、まだそこまで普及してはいなかった。

さて、ある日のことであった。そんな〈カップ焼そば〉を、小学生の次男が食べようとしていた。

外装のフィルムを剥がすと、紙で蓋をしてある四角い発泡スチロールの本体が剥き出しになった。

蓋をかどから3分の1くらいまで開けて、〈粉末ソース〉と、薬味の〈紅ショウガ入り青海苔〉が入った袋を取り出す。

すると、次男は〈粉末ソース〉の袋を破って麺の上に振り掛けて、沸かしてあった湯を注いだのである。

それに気が付いた僕が注意した。

「おいっ❗️ソースは後からだぞ❗️」

と、そう言ったのだが、時既ときすでに遅かれし、もうタップリと湯が注がれていた。

「あ~ぁ・・・」

〈カップラーメン〉じゃないのだ。3分後にソースで濁った湯を捨てて、その後どうするんだ。

折角の〈カップ焼そば〉が台無しになってしまった。


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