五輪開会式に思ったこと
備忘録なので、あんまり広めようとは思っていない私的な考え。
総合的に、
●予想外に面白かった
●予想通り残念だった
予想外に面白かったところ
やっぱピクトグラムでしょ。ネットでは「小林賢太郎のネタ」と騒がれているが、彼のことはよく知らないので自分にはわからなかった。でも、初見でとにかく面白かった。めっちゃ笑った。ドローンがやってるVerも上がってたけど、こっちの方が面白みは大きい。中の人頑張れ!って応援しちゃう。
そして、ゲーム音楽が入場曲に使われたこと。
ただこれは、良くないところもあったので、あとで書く。
予想通り残念だった所
●カッコよくない
●説明しないとわからないものが多い
●低予算感がすごい
●統一感がない
●アニメーションが入ってない
先に予防線張っておこう。
私は別に「自分ならもっとよくできる」なんて言うつもりはさらさら無い。が、経緯を調べるとやはり(いや、調べずとも人事のゴタゴタはご存知の通りだが)予算をかけたものを圧力で潰して無駄にして、余った予算で適当にできる範囲でやりましたって事なんだろうなぁと。
私は文化芸術の祭典としての五輪が大好きで、今までの五輪も開会式・閉会式だけはどんな夜中だろうと絶対に起きて生で見てたので、それが日本で開かれるとあっては、大好きな日本の文化芸術が最大限に昇華されたものが見れると、とても心待ちにしていたんですよ。
なにせ、リオ五輪閉会式のトーキョーショーがこれだった。
最初の国家アレンジから神がかっており、その後の映像も音楽と映像単体でも魅力的である上にキャプ翼・ハローキティ・パックマンと「海外にも広く知られている日本文化」を駆使して、極めつけにドラえもんとマリオの合わせ技で安倍首相が地球の裏側にワープするとかいうアクロバットを魅せて会場は熱狂。
その後も半端なくて、ライゾマがPerfumeで培ったAR演出、中田ヤスタカの力強く先鋭的な楽曲、そしてMIKIKOプロデュースの超カッコいいダンスに、光るフレームとプロジェクションマッピングを合わせた豪華な演出。マジで見てほしい。一度見た人も何度でも見てほしい。超カッコいい。当時何度も見返したけど今見てもカッコいい。
5年前からめちゃくちゃ期待してたんですよこっちは。
で、現実に起こった東京2020の開会式がどうだったかというと……
あぁ……わかる……
ある種の「日本らしさ」というか「お役所らしさ」……
AKIRAのバイクめっっっっっちゃ見たかった
そうして練り上げた開会式の演出案。小誌は、MIKIKO氏のチームが、IOC側にプレゼンした280頁に及ぶ内部資料(昨年4月6日付)を入手した。渡辺直美もYouTubeで「かっこよすぎ」と絶賛した“幻の演出案”である。
その資料によれば、セレモニーは、会場を1台の赤いバイクが颯爽と駆け抜けるシーンで幕を開ける。漫画家・大友克洋氏が20年東京五輪を“予言”した作品として話題となった『AKIRA』の主人公が乗っているバイクだ。プロジェクションマッピングを駆使し、東京の街が次々と浮かび上がっていく。三浦大知、菅原小春ら世界に名立たるダンサーが花を添え、会場には、大友氏が描き下ろした『20年のネオ東京』が映し出される。
(いや、AKIRA自体は見たことないんだけど、それが無数のアニメや映画に引用されているのは流石に知っているので、見ただけでわかる)
振り返りつつコメント
ここからはNHKプラスで見れる東京2020オリンピック開会式を見ながらコメントしていきますが
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2021072334960
(NHK契約してる人は申し込めば見れるよ)
追記:↑NHKプラスじゃなくてもNHKのサイトで見れるようになったみたい。でもいつ消えるかわからないので、一応両方残しておく。
最初の影の芽が育つ演出+動画。コロナ禍で世界が停止する表現。
うん。そうだよな。それは外せないよな。
TOKYO
次。なぜか「TOKYO」って選ばれる瞬間の映像+各国選手が練習する映像。
なんか……何かが足りない。そもそも最初の「TOKYO」の発表を未だに引きずってる感が少し痛い。そして選手たち。映像と音楽はカッコいい。テイスト的に、リオ五輪の映像と同じチームかな?とも思える。しかしそうだとすると、圧倒的に足りない。そう。キャプ翼もハローキティもパックマンもいない。いや、別に同じキャラが出てきてもつまらないので?今後出てくるかもしれない。まだわからない。
改めて見ると、選手たちが壁を壊して21年に開催できたぜ!みたいな雰囲気の映像だが、選手以外は今緊急事態宣言のさなかで家という壁の中に閉じこもることを要請されており、壁を壊すなんてもってのほかなんですが。
まぁいい。
会場で1人ランニングするアスリートと、アスリートの筋肉を表すとかいう謎の演舞。
うーん。解説がないとよくわからん。そうだね、大変だったね、という気持ち。「すげー!!」とか「きれー!!」みたいな気持ちはゼロ。
というかここらへんの音楽すべてに「小山田がやる予定だったけど4日間で突貫で差し替えられた」可能性があって、これか?こっちか?と疑心暗鬼になり、全部の曲がショボく聞こえてしまった。
MISIA
MISIAが国歌斉唱。素晴らしい。アレンジは鷺巣詩郎らしい。リオみたいにカッコよいのとは違うけど、非常に複雑な状況、心情を表すものだった。さすがはエヴァの作曲家。
お次、森山未來による演舞とイスラエル選手団が殺された事件への黙祷。
最初は意味わからなかったけど、歴史を調べたらなるほど、と思った。
これは、自分は教養が足りずにわからなかったけど、良かった。
木遣り唄
そして始まった、木遣り唄。
……なんだろうこれは。皆さん頑張ってはいるんだが、「がんばってるねー」以上のものが何も湧いてこない……なんだろう……「多様性と調和を表現する響き」らしいが、なにか調和していたのか、あれは……
そして気がついたら熊谷和徳のタップダンス。うーむ。
エンタメにはそれぞれに「魅せるための場所」がある。タップダンスとか、あとはカホンとか、あるいは多重録音とか、そういう演奏スタイルは、ストリートで見かけたらものすごく感動する。こんな何もない所から、こんなものが生み出せるなんて!というギャップに驚くし、感動するのだ。
だけど、そういうのをコンサート会場や、ましてや世界的なイベントの巨大なドームで表現するのは、ふさわしくないというか、勿体ないと思う。本当にショボく見える。「ストリートで見たら感動するのに!」って毎度思う。コンサートホールに立った瞬間に、タップダンスやカホンはドラムセットに対して何の優位性も持たないし、多重録音はビッグバンドやオーケストラに対して何の優位性も持たない。それならドラムソロやってくれたりビッグバンドやオーケストラ入れたほうが何倍もカッコいい。そういう相性の問題で、タップダンスはちょっとね……
ちなみに、熊谷和徳は上原ひろみとデュオでコンサートをやっていたり。
上原ひろみが紹介したのかな、と思わなくもない。
その後も怪しい時間が続く。日本の祭りっぽいものを、なんかよくわからんが多様性に富んだキャストが運んでいく。キャストが多様なのは見た目だけかもしれないが。それにしたって統一感がない。
中心でリオ五輪の時に活躍していた椎名林檎ダンサーらしき人たちがキレッキレのカッコいいダンスをしているが、民謡チックなBGMに1ミリも合っていない。なんだこの空間は。よくわからない。
この時点で致命的な事実に気がつく。会場のリバーブがひどすぎて、リズムがなんにもわからない。そりゃタップダンスもぐちゃぐちゃになるわけだ。音がすべて8分音符1.5個分くらいずつズレて聞こえてきて、もはや元の曲のリズムがどうなのかまったくわからない。言われてみれば、無観客のせいで、リバーブを吸収するものが無い。
そして、「木でできた五輪」を一生懸命手で引っ張って完成させる。
会場のキャストたちは感動。テレビの前は凍りつく。解説が「これは50年前の東京五輪と今をつなぐシンボル」と解説してくれる。なるほど。解説されないと良さがまったくわからない。木は美しいし好きだけど、五輪にしては色がないし、魅せ方もショボい。
入場前の映像
五輪関係者のスピーチ動画が挟まる。
そして、オケの調律と共にアスリートの動きが重ねられ、運動と音楽が美しく重ねられる。
これは、悪くなかった。が、残念なことに、これの直前に見たOMEGAのCMの方が10倍くらい出来がよかった。
開会式の方は、フェードで映像をつないでおり、それもあんまり完璧に合っておらず、一方で、OMEGAのCMはすべての瞬間が感動的に同期している。マジですごい。五輪の映像制作は企業CMより予算が少ないというのか。。
ゲーム音楽で入場
突如流れるドラゴンクエスト「序曲」
リハで流れてて話題には少し上がっていたが、まさか本当に流れるとは思っていなかった。ここからTLは歓喜するゲーム音楽関係者であふれる。自分としても楽しい時間だった。
しかしその選曲が、正直謎である。ネット上には今もたくさんの憶測が流れているし、ゲーム企業もとくに正式には反応してないので、あんまり勝手なことは言わないほうが良いかもしれないが……それでも、
「任天堂作品が一個も無い」のは、なにか明らかにおかしい。
リオ五輪がマリオを盛大にフィーチャーした事実を鑑みても、世界に任天堂のファンがどれだけいるか考えてもおかしい。さらに任天堂ファースト製だけではなくポケモンやスマブラやカービィやファイアーエムブレムなど名だたる任天堂ハードのタイトルも出ていない。(スマブラは最新作の開発バンナムなので、エスコンも出てるし会社単位での判断ではないのだろうけど)
だいたい、スマブラの曲流すべきでしょう。人種や性別や種族や次元を超えて強いやつらが集まって最強を決めるゲームソフトですよ。最新作のコンセプトは「全員集合!」なんですよ??完全にピッタリじゃないですか???入場曲でスマブラが流れたら、世界のファンがこうなることは火を見るより明らか↓
見てぇー。ニンテンドーオールスターメドレーで狂喜乱舞する外国人が見てぇー。
しかしどうだろう実際のプレイリストは。たしかにいずれも数多のファンを抱える名作ぞろいだが、しかし、それ、海外の人わかりますかね……?そもそもドラクエは海外では当初DragonWarriorというタイトルで出ていて、知名度もそうでもなかった、はず。
そして、なぜか「あれっ!? 俺の曲がオリンピックで流れてる(笑)」と、驚きを隠せない作曲者
もしかして:許可取ってない?
いやいや、小林さんも後で釈明している通り、既に会社から独立していて、権利は会社が持っていたので、連絡がなくても不思議ではない。
でも、これで「問題はない」かもしれないが、「良かったか」というと疑問が残る。もっとゲーム会社や作曲者が協力したら、良いものに出来たんじゃないですかね。すごい、勿体ない。。それこそ、選手のスピードに合わせてインタラクティブに制御するメドレーだって作れたはずですよ。
そして唐突に空気を変える「イニシエノウタ」(笑)
いや笑てる場合ちゃうでほんま!浮きまくりや!人類が滅亡したみたいな雰囲気になっとるやんけ!
●●虐殺ごっこみたいなリアルなものとは違うけど、ちょっとNieRがやっている事を鑑みるともう何でもアリなんじゃないかなという気がしてきますね。うん。そこは表現の自由ということで。
※NieR第1作はDoDの新宿エンドの後の世界と言われる。
TVクルーの三文芝居
長い入場が終わると、謎のTVクルーを模した芝居が
まっっったく意味がわからなかった。海外からも「不可解」言われてるが。
「五輪開会式には、開催国以外では全く意味をなさないコメディースキットが欠かせないものだが、そのドタバタコメディにTVクルーの姿が見られた」
うん、ま、まぁ、どこの国にもあるよね、開催国以外では意味をなさない謎の時間がね。いや、開催国の人間でもよくわからなかったけど。。
エンブレム登場
その後、数々の大きなブロックを運んでエンブレムを作る演舞。
この時も、リオ五輪で活躍したカッコいい髪型のダンサーが出てくるが、年代も性別も様々な多様性豊かなキャストが混じり、曲調もほんわかしていて、統一感・カッコよさが無い。皆でせっせと箱を運ぶ。予想通り出来上がるエンブレム。うん。……何も驚きが無い。
ドローン演出
そしてこの開会式一番の魅せ場だった、ドローンによるエンブレムから地球への変化。
すごい!感動した!
けど、これもまぁ、中国でこういう感じの動画いくつか出てたし、何より、インテルの技術だし……日本の凄さとは言えない、のが悲しい。
Imagine歌唱
そして神妙に始まるImagine歌唱。
アジア(現地)に合わせて、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、各大陸のシンガーが重ねる。いい曲だね。日本の曲じゃないけど……いや、まぁImagineは別格か。錚々たるシンガーに対して、アジアは現地の合唱団で良かったのか。素晴らしい歌手いっぱいいると思うけど。
スピーチ&五輪旗の掲揚
その後、スピーチタイム。全世界が「話が長い」という気持ちで一つになる。やったね。目標達成。
五輪旗の掲揚。「エッセンシャルワーカーの代表」とかいう謎の「一般人の代表」に旗が渡される。
一般人の代表とは何か。どうやって選ばれたのか。そもそも一般人と選手はバブルで守られるのではなかったか。もう全然よくわからない。
その後、「翼をください」に合わせて舞い落ちる鳩の紙飛行機。うん、日本っぽくていいね。キレイだし。
また挟まる謎のテレビクルー三文芝居。マジで目的がわからない。。存在理由が。。場面転換?っぽいけど。完全に白けてるし。
ここでついに来た!あの時間が!
ピクトグラム再現
先程の海外記事でも、
「一連の人間ピクトグラムの中で、青一色の衣装を身にまとったパフォーマーたちが、すべての五輪競技のロゴと思われるものを再現し、ソーシャルメディア上で衝撃と混乱、あるいは喜びの声が上がった」と絶賛。
衝撃と混乱。まさにそうだ。想像できなかった。まさか、最新技術と文化の祭典である五輪の開会式で、欽ちゃんの仮装大賞かな?という勢いの芸が始まるとは。「予想の斜め下を付かれた」感じで、それでもめっちゃ面白かった。笑った。
しかし……これは……「期待していたもの」ではない……予想外に面白かったが……それこそ色んなアニメキャラクターやオリジナルアニメでこれを表現することだってできたはずだ……何なら五輪公式マスコットの2人が色んな競技をするアニメーションもどこかで見た記憶がある……あれはどうなったんだ……
劇団ひとりx荒川静香=???
最後に出てくるのは劇団ひとりと、荒川静香。面白い。面白いが……これも「期待していたもの」ではない……
渋谷を写すシーンでキャスターが「本来ならここも多くの人で賑わうはずでした」と言っちゃう。獅子舞が「ようこそ 歓迎」という文字とともに挨拶するのが空虚。今は誰も歓迎できないし、誰も外に出るべきじゃない。
現実とのギャップに悲しさがこみ上げる。
市川海老蔵x上原ひろみ=???
満を持して出てくる市川海老蔵。
うん、歌舞伎ね。大切だよね。詳しい人によるとこの演舞は疫病退散を願うものだとか?(詳しくないので裏はとってない)
唐突にピアノを混ぜてくる上原ひろみ。えっ上原ひろみ!?ファンである自分は嬉しい。嬉しい、が、、これは、、あれだ、、「Spectrum」だ。
上原ひろみの最新アルバム、そのCDタイトルを冠する名曲。ファンであれば聞き逃すはずもない。CD版よりだいぶ高速で弾いているがそれもライブならよくあること。つまり、既存曲を弾いているだけ??途中のソロで「あんたがたどこさ」を交える一面もあったが。逆に言うとそれくらいか。
五輪という舞台に新曲を作ることもなく、隣で市川海老蔵が演舞してるのに、それに合わせるという事がまったく考慮されていない……明らかに雰囲気がおかしい。このちゃんぽん感が東京っぽい、という意見もあったが、やっぱりわからない……
上原ひろみの名に於いてそんな雑な演出を提案したとは思えないので、単に、予算や時間的な関係で無理だったんじゃないだろうか。
聖火点灯
最後、ボレロに合わせて運ばれる聖火。なぜか医師と看護師に聖火が渡される。大丈夫か。現場から恨まれてないか。子供にも聖火が渡される。大丈夫か。11時やぞ。満を持して大坂なおみが聖火台へと点灯。
聖火台は、カッコよかったね。すごい!って感じじゃなかったけど。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
終わった…………………
えっ
マジで?終わったの?
これで?日本の?五輪の?開会式が?
いやいやいやいや……
いやいやいやいやいやいやいやいや…………
結論
・カッコよくない
これは個人の好みが大きいですけど。
リオ五輪のカッコよさどこ行ったの。MIKIKOの振り付けと椎名林檎の音楽は。中田ヤスタカの音楽は。小山田圭吾の音楽は!!
俺は小山田圭吾が人間として許せなかったとしても、音楽は音楽で評価され、使われるべきだったと思っている。だいたい、ミュージシャンがクソ野郎だった事なんて枚挙に暇がなく、もう切り離して考える癖がついてしまっている。そもそも、小山田圭吾の音楽を聴いたことあるかよ、これだぞ……
アニメ「GHOST IN THE SHELL ARISE」のOP曲として流れたこの曲。最初に聴いた衝撃は忘れもしない。ドラマーなのでリズムには敏感で大抵の曲はすぐにリズムを理解できるが、この曲は本当に複雑で、しかし荒唐無稽ではなく常に規則的なリズムがある。人類がまだ到達していなかった新たなリズム・パターンが無限に含まれている。なんだこれは。ヤバい。
それ以来コーネリアスは大好きだが、どの曲もやっぱりヤバくて、手癖なのかもしれんが世界中探してもこんな曲を作れるのは彼しかいない。替えが効かないのだ。「まともで音楽がちゃんと作れる人」はいるかもしれないが、「まともで小山田圭吾のような音楽が作れる人」は存在しない。
なんと言おうが日本が誇る才能の一つだった。世界の人も、彼の曲が聴けたならさぞ新鮮な驚きを得ただろう。別に彼の人間性は1ミリも知る必要はない。勿体ない。
・説明しないとわからないものが多い
1人走るアスリートと赤い線で繋がれたダンサーの演舞。木遣り唄と大工たちの演舞。木で作られた五輪。タップダンス。
解説が「●●を表しています」とか「世界的な●●さんです」とか言わないと、なんだかよくわからない。もちろん、それらは本来ダメなわけではなく、近くに寄って、話を聞けば、なるほど凄い、それは素晴らしい文化だ、私も応援したい、そう思うに違いないことは想像できる。しかし……
この映像からは伝わらない。
大規模なドームで、世界中の人に一気に伝えるために、この方法では伝わりづらい。同じ日本の伝統をモチーフにするにしても、それこそ、アニメーションで表現したり、ARで完成形を魅せたり、「魅せるための工夫」が出来たはずだ。
リオ五輪のドラえもんとマリオでも表現されたように、日本には「説明不要」の巨大キャラクター軍がある。
ポケモンは?ドラゴンボールは?初音ミクは?渡辺直美は?
エンターテインメントは、「サブカルチャー」なんて一括にされるが、私は「いかに人に伝わりやすくするか」を真剣に考えてきた文化だと思っている。その最たるものがゲーム。「格の高い文化」の方々は、大切に守ってきたものがあるんだろうけど、それを伝える際に「国がそれを伝えるべき」「皆がこれを知るべき」と、一方的に相手に責任を押し付けていないか。
もっと伝わりやすく、手に取りやすくするにはどうするか。伝統の中でも新たに考えて表現できる人も増えている。そういう人を応援したいし、自分たちが助けになるようにもしていきたい。ゲームも、社会問題を扱うタイトルが出てきたように、伝統を扱うゲームも出てきて良いと思う。
そういう橋渡しを通じて日本全体が協力し、世界にもわかりやすくアピールできるチャンスだったのに、何だったのか、あれ(特に木遣り唄)は……
・低予算感がすごい
これに尽きるな。
面白かったところも、良かったところも、ちょっと引いた目で見ると安物に感じてしまう。これも多分、普通にテレビでやってたら「あー良かった」で終わるものが、五輪開会式という超高い期待ハードルがあるせいで、残念に感じてしまう。だから、、悪くないんだけど、、期待以下なんだ。
お笑い番組のようなピクトグラム体操から
劇団ひとりが1人で盛り上げる映像
まったく合わせ方が練られていない歌舞伎と上原ひろみ
選曲が足りないゲーム音楽
全体として驚きと感動がなく、説明を聞いてホッコリするだけの演目
ビートたけしが「金返せ」と言うのもわかる。恥ずかしい。いや、リオ五輪終わった時は誇らしかったんですよ。これから日本が五輪やるんだぞ、お前ら楽しみにしとけよ、くらいの気持ちで。それが完全に消え失せた。コロナ禍で開催するってだけで日本にも世界にも危険を撒き散らして、観客も来れなくて、陽性で出場できない選手もいて、申し訳ないのに、日本が持つはずの多くの国際的な文化が役立てられず、ショボいものを見せてしまった。
・統一感が無い
リオ五輪の閉会式は、「椎名林檎ワールド」とも解説され、統一感があった。これは裏を返すと、椎名林檎が好きじゃない人は嫌だったかも知れないということ。自分は好きだったから良かったけど。
それに比べると、今回の演出はどこもかしこも、「怒られないように」作ったとしか思えないものばかりだ。怒られないように多様なキャストを配置し、怒られないように歌舞伎とジャズをとりあえず出し、怒られないように伝統とタップダンスをとりあえず出す。統一感が何も無いけど、誰も怒らない。炎上しない。悪いとは言えない。しかし……全然良くない。
・アニメーションが入って無い
何より、アニメーションが入っていないのが本当に悲しい。
リオ五輪の時のように、意味のある形で使ってほしかった。「他のものを消してアニメを入れろ」じゃなくて、「他のものを伝える手段としても、アニメは最強」なんだよ。わかりにくいマイナースポーツや日本の伝統も、アニメにして輝くことができるかもしれない。
日本には世界に誇れるクリエイターがたくさんいる。
宮崎駿は言うに及ばず。新海誠は?庵野秀明は?どこ行ったんだよ。いや、別に有名監督がやればいいわけじゃない(し、やったらそれはそれで大変なことになりそう)なので、にしても文化としてのアニメーションをですね。無視できるのかと。ゲーム音楽だけじゃなく、世界に広く知られる文化として表舞台に出してほしかった。
いやーーーーーーー
AKIRAのバイク見たかったーーーーーーーーー
色んなアニメ会社が色んなスポーツのシーンをアニメで表現して連続で繋げてくれたらと思うと涙が出るほど感動できそうなのが想像できる。ピクトグラム体操も面白かったけど!違うんだよ求めているものが!そういうのはテレビ番組でいいんだよ!俺が五輪の開会式に求めているものは……
上層部(政界)の指示で捻じ曲げられたという記事も出ており、
本当だとしたら、許せねぇ……
もう1回やらない?
誰かが言ってたんだけど、もう延期とか中止とか言わないからさ、もう一度やろうよ、東京五輪。
別に、コロナ禍が終わったら俺は歓迎だよ。祝祭としての五輪がなんにもできなかったんだからさ、幻の開会式を実現してほしい。同規模の祝祭ができるならいいんだけど、ちょっと考えただけでも難しい。やっぱり五輪は凄い。それだけ世界が祝うイベントなんだ。だから、勿体ない。。諦めきれない。。日本の本気がこんなものではないことを。。世界に示してほしい。。
別に、コロナ禍が終わったら俺は歓迎だよ。祝祭としての五輪がなんにもできなかったんだからさ、幻の開会式を実現してほしい。同規模の祝祭ができるならいいんだけど、ちょっと考えただけでも難しい。やっぱり五輪は凄い。それだけ世界が祝うイベントなんだ。だから、勿体ない。。諦めきれない。。日本の本気がこんなものではないことを。。世界に示してほしい。。
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