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N-049 観音立像

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石膏像サイズ: H.51×W.16.5×D.20cm
制作年代  : 
収蔵美術館 : 

三十三観音の六番目に登場する“白衣観音(びゃくえかんのん)”です。白衣観音は、息災除病の修法の本尊として安産、求児、育児の祈願に多く信仰されています(白衣というのは、出家した人の着る袈裟ではなく、在家の人の着る白い布のことを指します)。”観音様”というのは、正式には”観世音菩薩(かんぜのんぼさつ)”と呼ばれ、現世の利益に結びつくことから広く信仰されています。観音様は菩薩ですので、悟りをもとめて”生きる”釈迦の姿です。衣は美しく、結い上げた髪には宝冠をつけ、胸などにもアクセサリーをつけたきらびやかな姿で表現されます。手にいろいろな物を携えているのも特徴で、蓮華、水瓶、輪法、数珠、宝珠など救済の種類に応じた持ち物を持っています。たくさんのヴァリエーションがあることも観音菩薩の特徴で、救済される人々の”器”にあわせて様々な観音様が存在します。六観音、七観音、十五尊観音、三十三観音・・・・など、時代や地域・宗派によっていろいろな考え方があるようですが、要は”よりたくさんの人々を救済するため”に観音様が変化するということです。具体的には、一面二臂(いちめんにひ:顔が一つ、手が二本)の正統派の聖観音(しょうかんのん)、頭上に十一個の化面のある十一面観音、千の手を持つ(実際には42本で表現)千手観音(せんじゅかんのん)、投げ縄(羂索:けんさく)を持つ不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)、あらゆる願いが意のごとくかなう如意輪観音(にょいりんかんのん)などなど・・・他にもたくさんあります。この石膏像の観音様は、顔は一つですし、手も普通に二本ですので聖観音ということになります。

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神奈川県の大船にある観音様 巨大な半身像
(写真はWikimedia commonsより)


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