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第67回短歌研究新人賞

短歌研究の最終候補作に選ばれた。
だから書いたのかな。
長いけど俺の頭の中を少しのぞき込めるような。
そんな文章を書きたいとずっと思ってる。



①Present -現在-

昨日の吉報から一夜明けた6/22(土)の夜中23時。
この後、軽音のスタジオ合わせだ。楽しみ。

日本海と佐渡島に背を向ける形で俺しかいない研究室のデスクで書いてる。
大学には俺以外に学部生はいない。

研究室でずっと以下のことを考えていたけど答えが出ないので逃げるように書いてる。

量子力学のWKB近似と場の量子論のハバードモデルのハミルトニアンの式変形
(とくに2電子の場合のハミルトニアン)がなぜあの行列で書かれるのかが理解できない。
これ書いている時に閃いてほしい。Lancasterめ・・
俺の担当の箇所で出てきたハバードハミルトニアン。
固体中の電子の動きが記述できる。
これを厳密に解くのは難しいが物性物理学で非常に重要である
第1項目は運動エネルギーを、第二項は相互作用ポテンシャルを求める。

②Observers in Physics(物理の観測者)

第67回「短歌研究新人賞」の最終選考作に自分の連作があった。
Observers in Physics(物理の観測者)
というタイトル。

教授の発言に感化されて心が励起状態になったり
物理学徒としての自分の定常を書いた。

これは書面でぜひ読んで欲しい。
まるで俺の作品じゃないかのような、垢抜けた俺の30首のなかの選ばれた10首が掲載されていた。

高校時代、付き合ってた女子と大学生になり久しぶりに会った時の感情に近い。
「こんな雰囲気だったっけ」「あれ、俺こんな人と付き合っていたんだっけ」になる感じ。

たしか、今年の1月の頭から本格的に制作を始めた。
日常的にとっているメモを制作用にまとめた。

量子力学Ⅱを担当してくれる教授の発言、スイスでの生活の話。
CERN(欧州原子核研究機構)で実際に加速器の中に入ったこと。

実際の研究者の何気ない日常を聞くのが好きだから
それをそのまま連作にした。


ノーベル賞を狙う教授の彦の字がギリシャ文字にしか見えない二限

和田けいじゅ Observers in Physics(物理の観測者)

③In My Physics  

物理が好きというより、物理学者が好きだ。
小学校高学年の時に
Erwin Schrödinger(エルヴィン・シュレーディンガー)に出会った。
この人に作用されて俺の固有状態は変化した。

シュレーディンガーの猫(Schrödinger's cat)
なんて当時絶賛中二病だった俺にとっては興味の対象でしかなかった。

大学4年間物理を学んでいるが
まだPhysicsのPの字も理解できるとは言えない。
基礎勉強で4年が終わるかもしれない。
それでも物理には人を引き寄せる力がある。
これこそ基礎研究の魅力ではないだろうか。

人間世界への応用、転用だとか金のためだとか、
そういった欲望が一切排除されているものだと俺は思う。

だからこそ、あんな楽しそうに物理の話を、
自分の研究をするのだと思う。
そこには純粋な知的好奇心しかない。
人類の発展とかどうでもよさそうに感じる。
だから俺は物理が好きだ。

オッペンハイマーもう1回みたくなってきたな。

④Representations -表現 or 描像-

短歌の連作を作る前に書いてる「短歌ノート」がある。
そこに書いてあったこと。


物理は理論+数式で表現されているけど、
ただの理想では無くて、数式が現象として
現実となって観測されて初めて成立するもの。

そこには仮説と結果があって、
たったの数字遊びではない。
そこには人の感情が乗る。


画家が絵を通して見たもの感じたものを伝えるように。
音楽家が現実を旋律で表現するように。

自分が感じたものを自分に代入して吐き出す。一種の函数。

虹を見て画家は描きたくなる。
虹を見て音楽家は曲を作りたくなる。
虹を見て物理屋は背後にある現象を数式化して大衆に表現する

数式という人類が一番共通認識を取れるもので表現してる。

だから、数式を自由に使えない俺は
不自由なりにも、自分の感情を、感覚を、五感を
短歌を通して伝えたいのかもな。

いや、まだ数式では記述できない部分を
短歌を通して伝えたいな。

2024年1月19日 に書いたこと

⑤Model-北極星のような先輩-

俺の一個上に北極星のような先輩がいる。
第6回笹井賞を獲った人で俺はその人を憧れ続けるだろう。

その人と昨日久しぶりに話した。
電話越しでもいつもあっていた時と変わらない声で安心した。

余りにも嬉しい言葉を貰った。
言うまでもなく嬉しい。

昔の俺の作品は、というか今でもその人を意識しすぎていた。

これはおそらく近くにいすぎるから、
新潟という地方都市で20年以上生きていたから。
MOROHAが好きだから、
音楽の趣味が似ているから、

どうしても影響を受けてしまうからだったと思う。
強い力だ。核力だ。

でも、昨日こんなこと言われた。
めちゃくちゃ嬉しかったから記憶改変されているかもしれない。

少なくとも掲載されていたあの10首は
紛れもなく「和田けいじゅ」の研ぎ澄まされ方をしていた。


粗削りだけど、新人賞が新人賞たる所以のそんな連作だった。

粗削りが消えてほとばしりと上手さが残ったときに大賞とるかもね。

嬉しかった。
すげー嬉しかったんだ。
本当に嬉しかったんだ。

ここで止まらずに短歌を作り続ければ、
あの人の背中が見えてくるかもしれない。

もっと作りたい。
もっと吐き出して、湧き出して、発散させたい。

⑥Conclusion -終わりに-

自惚れ理系男子大学生短歌のパイオニアになりたい。

もっと精進する。

短歌研究を手に取ってほしい。
俺の作品を読んで欲しい。
驕り高ぶっている俺に現実を突き付けて欲しい。
そして俺の作品の感想をDMなりで突き付けて欲しい。
どんな言葉でも浴びたい。

俺が短歌と初めて出会った場所。2022年4月8日のこと。
新潟の春にしては珍しく暑く晴れていた。
アルフォートも少し溶けるくらいに。



30首中25首目の短歌
30首中30首目の短歌

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