息子は信託会社
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母のことを想像してみてください。そうです、あなたのお母さんのことです。ご飯を作ってくれて、掃除、洗濯、仕事など、家庭内で起こるあらゆる業務を引き受けてもらっているのではないでしょうか。
生まれた時からそうです。鼻からスイカが出るような痛みに耐え抜き、私たちをこの世に授けてくれ、母親のタンパク質やホルモンを生贄にして、母乳という成分を生み出し、私たちを歩ける状態まで成長させてくれました。
これは言い換えると、私たちは母親という存在に依存しないと成長できなかったということです。
父と母が産みたくて、私たちが生まれてきたわけですから、成長させてもうらうことは当然の義務だと思います。しかし、それは私たちに意志能力が無い時までです。簡単に言うと、自分で物事を選択できるようになるまでは、両親に義務を負わせて当然ということです。
両親も人間ですから、愛する我が子を誰かに自慢したい気持ちはありますし、そのおかげで虫歯をお見舞いされたりもします。
だからこそ、夜中に大泣きしても、お漏らししても、落書きしても大丈夫なわけです。
私は、これを一つ目の契約としています。
両親は自分たちの欲求を満たし、子供は選択する力を養います。
問題はここからです。意志能力を身につけた後、二つ目の契約を結ぶこととなります。
信託契約です。私たちを信頼した両親は私たちに莫大な資金を投資します。
信託会社は息子に該当しますが、出来立てほやほやの新米会社で、社会からの信頼なんてものは無に等しいものです。しかし、信託会社(息子)が必要だと言えば、お金を支払う必要があるし、信託会社(息子)は何度だって、催告しにやってくるのです。
そして、その新米会社は何もわからないいまま、世の風潮に乗っ取り、高校や大学といった、自分と同じ世代の集合体に莫大な資金を注ぎこみます。この時の信託会社には報告義務はありません。お金を出している親は、何も知らないまま、ただひたすらじっと待つことしかできないのです。
宝くじのようなものなんでしょうね。
信託会社のお金の使い方には、家賃、光熱費、食費など、生活をする上でかかる、ありとあらゆるものが含まれます。
さっきも言いましたが、両親が行っていることは信託です。
息子を信頼しているから、お金を支払うのです。将来、どんな形であれど、自分たちに帰ってくるから、お金を支払っているのです。
だけど、新米会社はそれに気づかない。お金が入ってくることが普通であると認識してしまう。使い方も自由だと。ギャンブルにまで手を伸ばすことだってあります。
もう一度言いますが、私たちは信頼されて、託されている会社であります。
勘違いしてはダメです。お客様がお金を払ってもらっている以上、それに見合う対価が必要で、すぐに価値のある対価を生み出せないのでれば、小さな対価を生み出し続けなければなりません。
いつまでも、幼少期のように炊事洗濯を任せるのは到底間違っています。
そんな人が社会に出て一人前の人間になることはできないです。
将来何すればいいか不安の人、今やる事が目の前にあるじゃないですか。
社会の仕組みの根源、お金をもらって人を幸せにすることを体験できるのです。うってつけのチャンスを見逃してはダメです。母をいつまでも代名詞に置き換えていてはダメです。一人の人間であり、あなたにお金を投資してくれている一お客さんなのです。
丁寧に、おもてなしの心を持って接してあげましょう。
そして、将来投資してもらった以上の価値を提供するのです。
それが息子の信託会社の勤めです。
今からでも遅く無い。
おとん、おかんいつもありがとう。
20210808
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