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何故銀座の不動産の価格は高いのか

1.需要マインドに影響を与える要素

 「何故東京の不動産の価格は高いのか」という記事で、需要マインド(買いたいと思う気持ち)に影響を与えるのは「収益価格」と「転売利益」と「開発利益」だと述べました。そのどれも高い水準にある地域なので銀座の不動産の価格は高いのです。

2. 収益価格が高い地域

 銀座の不動産の賃料単価は既に高水準ですが、それは客単価の高い物販店や飲食店が集積しているからです。その集積度がもっと高まれば、賃料単価もさらに上昇します。容積率の限度まで全ての階が、もっと客単価の高い高級店で占められるようになるまでは、銀座の不動産の価格は上がり続けます。

3. 転売利益が得られる地域

 賃料単価が上がり続ければ不動産価格も上がり続けます。そんな地域内の不動産を購入したら、転売時には必ず転売利益が得られます。店舗の集積度が増し続け、店舗が高級志向にシフトし続ける限り、その街の不動産価格は上がり続けます。

4. 開発利益とは何か

 開発利益は不動産を現在の活用方法よりも、もっと有効な活用方法に変えることによって生まれます。林地や農地を造成して宅地にしたり、工場を取り壊してマンションにしたりすると、土地の価格も土地建物一体としての不動産の価格も上昇します。その価格は元の土地(素地)の価格に造成や建設に要した費用(投資)を加算した金額を大きく上回る価格です。その上回る部分が開発利益です。

5. 開発利益が生まれる地域

 需要がある地域で開発投資は行われます。人がそこで活動するわけなので、安全性や利便性が高いことは当然ですが、それに加えて宅地やマンションならば居住性や利便性、店舗ならば収益性や繁華性の高さが求められます。それらの性能の高いところで人は活動します。建物が建て替わるときに以前の建物よりも賃料の高い建物に建て替る地域では、建替えのときに開発利益が生まれます。銀座はそんな地域ですし、丸の内や八重洲・日本橋、虎ノ門や渋谷や六本木、品川や新宿や池袋なども該当します。

6. 高度利用の程度とその変化の速度と持続性

 土地が高度利用されている地域の収益価格は高いです。地域の高度利用への変化速度が速い地域ほど転売利益が大きいです。そしてその地域の状態が長く持続する地域内の不動産価格ほど高くなります。銀座はそのすべての要件で現在はトップです。今後もその状態が長く続くと思われますが、「銀座ルール」で建物の高さを制限したことで、地域変化の活力を自ら一定の枠内に閉じ込めて限界を設定し、価格上昇にブレーキを掛けました。その影響でいつの日か、ほかの地域にトップの座を奪われるかもしれません。

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