Toru Aoyagi / ブランディングデザイナー

栃木在住ブランディングデザイナー, グラフィックデザイナー / 株式会社あを代表取締役…

Toru Aoyagi / ブランディングデザイナー

栃木在住ブランディングデザイナー, グラフィックデザイナー / 株式会社あを代表取締役 / 宇都宮大学非常勤講師 / しもつかれブランド会議代表 / 自身のプロジェクトから得た知見を、ブランディングやデザインの視点で共有します。

最近の記事

小林秀雄の「通俗性ならざる大衆性」から考える、ブランディング・バランス

僕には2つ下の弟が存在する。 弟とのここ数年の飲みながらの会話のテーマは、まさに小林秀雄が言う「通俗性ならざる大衆性」であった。 僕は「しもつかれブランド会議」という、栃木県に1000年伝わる郷土食を現代にも楽しめるものとしてアップデートさせる活動をしている。 https://www.shimotsukare.jpn.com/shimotsukare-brand-meeting/ その「しもつかれ」には独特のクセがあり、県民を二分する料理となっている。 1000年も受け継

    • Brand Novelization -ブランドの小説化-

      ブランディングと小説の創作は、一見異なる活動のように思えるかもしれないが、その根底にあるプロセスと目的は驚くほど似ている。 両者ともに強烈な個性と深い印象を残すことを目指しており、それを達成するためには独自の「物語性」を構築する必要がある。 小説家・平野啓一郎氏は、小説においてプロットの還元からこぼれ落ちる「ノイズ」、すなわち細かい描写や微妙なニュアンスが真の個性を生み出すと指摘している。 この考えは、ブランディングにおいても同様である。 小説の「ノイズ」とは、物語の大筋か

      • 「意味に飢える社会」と現代の課題

        現代社会は、不確実性と複雑性が増大する中で、意味の喪失という深刻な問題に直面している。 ノルベルト・ボルツは、「今日の社会は、ますます『意味に飢える社会』に向かっている」と指摘しており、この現象は情報過多、消費文化の台頭、社会的・文化的断絶、急速な変化と不確実性によって引き起こされていると考えられる。 これらの要因は、個々の情報の価値を減少させ、消費主義による物質的所有の優先、伝統的なコミュニティの疎外、未来に対する不確実性の増加といった形で、私たちの生活に影響を与えている

        • しもつかれうぃーく2024で目指したこと

          これは「しもつかれうぃーく2024」が始まる前に オンラインサロンでメンバーにシェアしたことです。 このしもつかれうぃーくというイベントで何を目指すか。 それを言語化したものです。   僕は最近「しもつかれは思想である」と考えるようになりました。  しもつかれは伝統料理であることは間違いありませんが、 その価値は料理にとどまりません。  しもつかれを料理とだけ見ることは しもつかれという存在を「固定的」に考えているからです。  「分かる」は、「分ける」とも言いますが

        小林秀雄の「通俗性ならざる大衆性」から考える、ブランディング・バランス

          ブランディングの教科書

          読破。 面白すぎて一気に読めます。 これは真のブランディングの教科書。 しもつかれブランド会議とoneclassの活動を 僕のインタビューとして掲載していただいてます。 しっかりと数ページに渡り掲載いただいていおります。 感謝です。 現代の「ブランディング・ブーム」へのカウンターとして 共感しかありません。 僕が昨今のブーム化されたブランディング手法に 違和感しかなかった部分を、見事に明文化されています。 僕の場合、便宜上「ブランディング」というワードを

          学びに使える時間の短さ

          先日、ある中学生とマンツーで対話する機会があった。 その子は成績の悪さに悩んでいた。 「どうしたら良くなるのか」 僕は素晴らしいと思った。 なまじ勉強ができると、「何か」や「なぜ」を考えない。 勉強とは何か 学ぶとは何か 頭が悪いとは何か 人生とは何か 死とは何か 勉強ができると、そういったことを自らに問う機会がない。 考えなくても勉強ができてしまうからである。 しかし彼は自分自身を見つめ、 どうすれば改善できるかを考えている。 僕はその辺の成績が

          ブランディングと面影の共鳴

          ブランディングとは、単に製品やサービスの外見を整え、市場での立ち位置を確保する作業ではない。 それ以上に、消費者の心に深く根ざす感情的な絆を築き、ブランドを繰り返し思い起こさせる力を持つ。 ここで興味深いのは、このブランディングのプロセスが日本古来の概念「面影」と通じるところがあることだ。 面影とは、 過去の体験や人物、あるいは場所との関係性に対する深い感情や記憶を指す。 人々が何かを「思い出す」際に、それは単に視覚的なイメージや具体的な事実だけではなく、それにまつわる感

          ブランディングと面影の共鳴

          「新しさを狙う」のではなく、「結果的に新しかった」が良い。 狙うのは相対的、結果的は主体的だから。

          「新しさを狙う」のではなく、「結果的に新しかった」が良い。 狙うのは相対的、結果的は主体的だから。

          しもつかれは共創してこそ

          年末年始に久々に炭水化物を食いまくって、3kgも太ってしまった僕です。。。 とりあえず、通常の食事に戻して様子を伺いますw さて、実は正月中に初めて自力でしもつかれを料理してみました。 やっぱりしもつかれブランド会議の代表たるもの、「しもつかれ自作したことねえっす〜」って軽く言うのもなんだかなーと思ったりもして。 しもつかれを作るのに、結構工程が色々とありまして、ちょいっと作っちゃう人って凄いなーと改めて思います。 今回は「鮭の頭をグリルで焼いて生臭

          仕事は遊んでいる感覚なのが当たり前の時代へ。

          仕事は遊んでいる感覚なのが当たり前の時代へ。

          「学生秘書」:若者が地方から流出せず成長できる若手育成プロジェクト

          ブランディングデザイナーの青栁です。 地方をクリエイティブでアップデートし続ける事がビジョンです。 思いつきで「学生秘書」というプロジェクトを始めました。 これは僕が若者に様々な機会を提供するために、今すぐ実行できて、しかも負担が少ないプログラムとして考えついたものです。 簡単に説明すると、青栁が関わる様々なプロジェクトに学生が秘書として同行し、プロジェクトのメイキングに参加する事で、学びと体験を得てもらう企画になります。 「学生秘書」は、なぜ生まれたのか 「学生秘書」

          「学生秘書」:若者が地方から流出せず成長できる若手育成プロジェクト

          顧客満足度から顧客チャレンジ度へ。 満足させるんじゃなくて、チャレンジし続けるマインドや仕組みを作り、僕が死んでも成長し続けられる方が価値が高い。 「その仕事、顧客チャレンジ度高いねっ!」てトークしたい。

          顧客満足度から顧客チャレンジ度へ。 満足させるんじゃなくて、チャレンジし続けるマインドや仕組みを作り、僕が死んでも成長し続けられる方が価値が高い。 「その仕事、顧客チャレンジ度高いねっ!」てトークしたい。