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当社の持株会加入率が高い理由とその影響は?

こんにちは。
グラッドキューブ(証券コード:9561)経営企画部 IR担当の太田です。

今回、皆さまにお話ししたいことは、「当社の持株会加入率が高い理由とその影響は?」についてです。

どうして、ここまで高い加入率だったのか、IR視点で分析してみましたので、皆さまにお伝えしたいと考えております。

2024年6月4日に公表しました通り、従業員持株会の加入率は63.1%と多くの従業員が加入いたしました。

2024年1月25日に東京証券取引所が公表した、従業員持株制度を有する上場国内企業の従業員持株会状況調査結果によると全体の加入率は36.97%※となります。また、当社が属するサービス業は26.09%※となりますので、当社はこの約2.5倍高い加入率ということもあり、他の企業と比べても相当高い加入率であることが言えます。(※下記、「図1」を参照)

図1 業種別従業員持株会状況

この高い加入率の要因として、「奨励金が非常に高いのでは?」とご指摘があります。しかしながら、当社の奨励金は1,000円あたり30円となりますので、そこまで高いものではないことが下記の通りわかります。(1回目の初回引き落とし時のみキャンペーンとして奨励金は1,000円あたり100円にしました。)
前述の東京証券取引所が公表した調査によると、1,000円あたりの奨励金において、40円以上は全体の92.2%※となります。ちなみにですが、100円以上でも全体の51.5%※となります。(※下記、「図2」を参照)
このことから、「他社より奨励金が高いから従業員持株会の加入率が高いのでは」というご指摘については、「NO」ということになります。

図2 奨励金支給状況

それでは、どうしてこのように6割以上の従業員が持株会に加入したのか考えてみました。

持株会の加入率に関する先行研究を調査したところ、高い加入率の企業の共通点などに関する研究は見つけることができませんでした。
しかし、株式の保有比率や加入率が高い会社は、仮説として以下のようなことが挙げられるのではないでしょうか?

1. 経営理念への共感
経営理念に共感し、会社と一緒に成長したいと考える従業員が多い会社は、持株会加入率が高い傾向があると仮定できます。この理由として、経営理念を共有することで、従業員は会社の一員としての意識を高め、モチベーション向上にもつながることから、結束力も強まり会社の成長につながります。そして、自分たちが働く会社に誇りを持ち、より積極的に貢献したいと考えるようになり自社の株式を持ち、企業の成長と共に歩みたいと考える従業員が増え、持株会加入へとつながるのは自然の流れではないでしょうか。

2. 企業業績の好調
業績が好調な会社は、将来の成長性にも期待が持てるため、持株会加入を検討する従業員が増えると考えられます。実際に、会社の業績が良好な場合は株価も良いパフォーマンスで推移する傾向があり、従業員の仕事に対するモチベーションや株主として経営への参画意識の高まりが期待されるからであります。

3. 積極的な制度設計
一般論にはなりますが、加入金や買い付け価格の割引、退職後の売却時の優遇措置など、魅力的な制度を設けており、また、加入手続きを簡単にしている会社など、参加しやすい環境を整えている会社は評価され、持株会の加入促進につながるものと考えられます。

4. 従業員への丁寧な説明
こちらも一般論にはなりますが、持株会制度のメリットやデメリットを丁寧に説明し、従業員一人ひとりの理解を得るよう努めている、また、個別面談などを通じて、従業員の不安や疑問を解消する取り組みをしている会社は、持株会加入率が高くなる傾向があるのではと考えられます。

5. 経営陣の積極的な関与
経営陣自ら持株会に加入し、そのメリットを積極的にアピールしている会社は、持株会加入率が高くなる傾向があるのではと考えられます。当社の例にはなりますが、役員の加入率は55.6%となります。監査役も対象ですが、監査している立場として持株会に加入しにくいという現状もありますので、現在の加入率で十分と言えます。

6. 良好な労使関係
労使関係が良好で、会社と従業員の信頼関係が築かれている会社は、持株会加入率が高くなりやすいことは言うまでもありません。信頼関係があれば、従業員は会社に対して安心して持株会に加入することを考えるのではないでしょうか。

7.高い奨励金の支払
資産運用面やリスク低減の観点により、従業員の加入意欲が高まるものと言えます。特に、上記項目1~6に該当していれば、さらに加入意欲は高まるのではと考えられます。

逆に言うと、上記項目の1~6に該当しなければ多くの従業員が持株会に加入しないとも言えます。特に、項目7が高い会社は、ブースター化され、加入率が向上する可能性は十分に考えられます。
つまり、会社の経営状態や労使関係が良いことが、従業員持株会の高い加入率であることが一つの要因であると考えられ、グラッドキューブは上記項目に網羅的に該当しているため、従業員は持株会の加入に関して意欲が高まったのではないかと考えることができます。

投資家の皆さまは、「2. 企業業績の好調」については、「2024年12月期は赤字の決算を見込んでいるため、グラッドキューブは該当しないのではないか」と言われるかもしれません。
ただ、2024年2月14日の今期の業績見通しで公表しております通り、この赤字の要因は、M&Aや設備投資などの積極投資を行い、更なるスケールアップを考えているからであり、決してネガティブな赤字ではありません。
また、2024年2月14日に「事業計画及び成長可能性に関する事項」の解説でCEO金島から「新しい取り組みをしなければ、利益は生まれますが、成長は鈍化していくものと考えております」と説明の通り、業績自体が悪い訳ではないことをご理解いただけたらと思います。

つぎに、持株会の加入比率が高い場合の影響について分析してみました。

ニッセイマネジメント吉野氏(2024)※は、「従業員の持ち株比率が高いということは、下記の図3の通り従業員が株主としての経営への参画意識の高まりが期待され、業績や株式パフォーマンスも良くなるのでは」と指摘されておられます。※吉野貴晶(2024),No.50 従業員持株会保有比率と株式パフォーマンス2024年01月04日号

図3 従業員持株会の保有比率が高い企業の株式パフォーマンス 
出所:ニッセイアセットマネジメント

グラッドキューブの持株会はまだ始まったばかりですので現状の保有率は低くなりますが、このままの加入率が維持されや掛け金も同様に推移した場合では、2025年12月期末には、グラッドキューブ従業員持株会は大株主に名を連ねる可能性が高くなります。

つまり、ニッセイマネジメント吉野氏(2024)の研究データを参考にした場合、『従業員の株主としての経営への参画意識の高まりが期待され、業績や株式パフォーマンスも良くなる』ということが言えます。

持株会の加入率については、上場企業のなかで加入率が80%を超えている企業がございます。CEO金島は、グラッドキューブも今以上に高い持株会加入率を目指したいとの思いから「持株会に加入したくなるような環境を作り上げていこう」と事務局と話していたようです。また、5月末の申し込みに遅れた従業員も何人かいましたので、今後はさらに高い加入率になることを期待したいと思います。

持株会の高い加入率や保有率の高まりが業績や株式のパフォーマンスの良化につながるため、IR担当としても、持株会の加入推進に貢献していきたく考えております。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
「当社の持株会加入率が高い理由とその影響は?」について、いかがでしたでしょうか。

引き続きグラッドキューブを応援していただきますよう、よろしくお願いいたします。

(ご留意事項)
本記事は、情報提供のみを目的として作成しており有価証券の販売の勧誘や購入を勧めるものではございません。


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