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日本語教師は忙しい④

巷で話題沸騰中のシリーズ記事「日本語教師は忙しい」だが、今回はいよいよラスト(の予定)の第4回である。何せ冒頭でも申し上げたとおり「この記事のおかげで日本語教育能力検定試験に1発合格出来た!」や「明日の授業のヒントが得られた。こんな良質な記事を無料で公開してくれるなんて、どう感謝して良いか分かりません」「シリーズ記事を目に通しただけで宝くじに当たって、可愛い彼女が出来た!」などと言った感想やご意見は当然なく、聞こえてくるのは「時間と電気代の無駄だった」「日本語教師の品を落とすな」「都知事選で応援してた候補者が落選した」と言った後ろ向きなものばかりだったので、そろそろシリーズも終えないと私のメンタルはズタズタになり、ご飯も喉を通らず(5杯目は)、夜も寝られない(昼寝を5時間した場合は)日々を送ってしまう。

という訳で前回のおさらいをさせていただくと、当校教師の忙しい理由-学生募集は主に3つに分類できるのである。

1  こちらから出向く
2 こちらへ来てもらう
3 その他

1に関しては「日本語教師は忙しい③」で紹介させて頂いたので、本日は2から進めていきたいのだが、まだお読みでない方は出来れば「日本語教師は忙しい①」から、そんな時間と勇気と金と人望がない方は③から読んで頂ければ、少なくとも今回の記事が多少は分かる上、時間と電気代を無駄にする事をここにお約束する。

さて夏休み突入にも関わらず何故か毎日バタバタしているのは2の「来てもらう」の為である。この「来てもらう」も思い出す限りで以下のようなイベントがあるのだが、夏休みに忙しいのは主にaの為である。

a.文化体験キャンプ
b.学校案内
c.近隣住民対象の体力測定
d.老人映画鑑賞会
e.オープンキャンパス 

この体験キャンプだが大きく1日キャンプと3日キャンプに分けられる。先日も3日キャンプが行われ、私はその間に①トントン相撲②玉入れ③ストライクアウト④ゲートボール⑤ボーリング⑥茶道⑦将棋 と大忙しであった。勿論これらは日本語教師として大変重要な仕事である。どう重要なのかは今後の研究成果が待たれるところではあるが。

此処で先ずは夏休みについて説明せねばならないだろう。他にも一般相対性理論と特殊相対性理論の違いや、それらが量子力学との間に存在する矛盾を解消する為に欠かせない超紐理論ついても説明する必要があるのだが、今回の記事の内容に殊更関係ない上に肝心な私もチンプンカンプンなので割愛させて頂く。因みに「チンプンカンプン」の語源は中国語の「聽不懂看不懂(ティンプトン・カンプトン) 」(意訳:全くワケワカメ)説が実しやかに囁かれているという謎豆知識の紹介でお茶を濁そうと思っている。それはそうと学生は6/24の段階で夏休みに突入したのだが、我々現場教師はその後2週間出勤する必要があり、7/9の「聯合免試」の結果で晴れて夏休みを獲得したのは前回の通りである。

そんなこんなで暦の上では7/13から夏休みになったのだが、夏休み期間中も15日間の出勤義務があるのである。因みに出勤日は自分で決められる。しかし問題はこのキャンプが行われる際には教師全員出勤して欲しいというのが学校側の意向であるのだが、如何せんキャンプの数が多すぎるのだ。軽く15日は超える上、学校全体の出勤日や学生の実習先訪問日や兼任の先生も含めた学科全体会議、果ては今思い出したのだが、お爺ちゃんお婆ちゃんの為のイベントの責任者を何故か押し付けられたので、その日も出勤しなければならない。そうなると私の夏休みはどんどん目減りしていくのである。

前回の記事でも書いたように、私が現職を続けている目的は長期休暇の為だけなのである。勿論これは謙遜であり、私の控え目で照れ屋な性格も相まってそのように言っているだけであり、本当は他にも132個ぐらい高尚な目的があるのだが、今は何一つ思いつかないので今後の研究課題とさせて頂きたい。

さて最後に3の『その他』についてである。典型的なのはポスターの送り付けである。あわよくば中学校に当校のポスターを貼ってもらい、知名度をアップしようという試みなのである。ここで一つ代表的なポスターの例を紹介しよう。仮にニュースわん中学校の卒業生で現在当校に通う「阿部きみひこ君(仮名)」という生徒がいたとする。そしてこの阿部きみひこ君(仮名)が奨学金20万元を得て日本の大学に交換留学した際には以下のようなポスターを作り、「勝手に」出身校に送りつけるのである。(ちなみに相当でかいサイズである)

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そこには当然プライバシーも個人情報も存在していない。どうせならついでに夏休みの出勤日や車のローンにも存在して欲しくない所だが、此方はキッチリと存在しているのである。大体阿部きみひこ君(仮名)の個人情報を侵害し、そんな姑息なアピールをするぐらいなら何故もっと教育の質を高める努力をし、それを以って学生や保護者へ訴えようとしないのか不思議でならない。然しながら実現した暁には、と言うより実現に向けて舵を切ったその瞬間に私のクビが飛ぶ事必至なので、このままでも良いのではと思い始めた次第である。

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