2023年ベストゲーム10選 6位〜10位
10位 5月21日 プレミアムユニバーシティズ22四部春季(上智大学野球場)
芝浦工業大学 0-1 上智大学
初の四部観戦は両チーム自責点0のロースコアゲーム
開催球場の一つが自宅から近い秦野市の上智大学野球場だったこともあり、以前から気になっていた東t…プレミアムユニバーシティズ22の四部リーグ。連戦の日曜日ということでタフな展開も覚悟して行ったのですが、試合内容はまさか(?)の投手戦。
上智大学のこの日の先発は村上大樹投手(3年・聖パウロ学園)。抜群のコントロールを武器にスコアボードに0を並べ続けると、後を受けて登板したユエン凱投手(3年・St.Joseph)、岩渕歩投手(2年・聖パウロ学園)もホームを踏ませない好投。
一方、芝浦工業大学の海老原幹汰投手(3年・県立龍ケ崎第一)も上智大投手陣に負けないピッチング。8回を1人で投げきり失点はエラーの間の1点のみ。キレのあるボールを駆使して上智大打線を打ち取り続け、見ごたえのあるロースコアゲームを演出しました。
一部、二部ばかりが注目されがちな東t…プレミアムユニバーシティズ22。正直「四部」というランク付けで勝手にレベルや試合の質を決めつけていた節がありましたが、この試合を見てめちゃくちゃ反省しました(秦野の切り株の上で全力土下座)。四部、面白いじゃんか。来年以降もまた見に行きたいカテゴリです。
9位 4月1日 首都大学野球二部春季(サーティフォー相模原)
明星大学 2-1 帝京大学
春の訪れとともに誕生した新エース
一昨年の権田琉成投手、昨年の松井颯投手と続けてエースがプロ入りを果たしている明星大学。今年のエースの座に就くのは誰になるのかが個人的には結構気になるところでしたが、2023年最初の公式戦でその答えを出してくれました。
一発回答の快投を見せたのは昨年まで未勝利の柳沼勇輝投手(3年・帝京)。タレント揃いの帝京大打線相手に9回途中を1失点に抑えてリーグ戦初勝利。柳沼投手は昨年まで見る機会がなくどんなもんかなと思っていましたが、力のあるボールと強気のインコース攻めで捻じ伏せる圧巻のピッチング。これを見てそら開幕戦を任されるわけだと納得しました。
エースに定着した柳沼投手は好投を続け、今年は春秋ともに3勝を記録。特に秋はリーグ最多奪三振も記録と飛躍の一年に。
最上級学年になる来年にさらなる期待がかかるのはもちろんですが、リーグ戦優勝と一部昇格を果たすには柳沼投手頼りではいけません。彼を中心に充実した投手陣を作り上げてシーズンに挑んでいってほしいものです。(秋のオープン戦で全く投げてないのめちゃくちゃ不安なんですが大丈夫なんでしょうか)
8位 3月19日 都市対抗野球静岡一次予選(清水庵原球場)
浜松市 浜松ケイ・スポーツBC 3-1 焼津市 焼津マリーンズ
今年最初に行われた都市対抗野球は最後まで目が離せない接戦
昨年の同大会で激闘を繰り広げた浜松ケイ・スポーツBC(浜松市、以下ケイスポ)と焼津マリーンズ(焼津市、以下焼マリ)でしたが、今年最初に行われた都市対抗野球予選でも接戦を見せてくれました。
ケイスポは0-0で迎えた3回表に5番寺澤隆輝選手(豊川→四日市大)が焼マリ先発のルーキー石田成投手(小鹿野→杏林大)から「都市対抗第1号」となる先制2ラン。5回には2年目の4番品田悠輔選手(札幌日大→東日本国際大)がレフト横を破るツーベースヒットで追加点。
反撃に出たい焼マリはケイスポと同数の8安打を記録するなどチャンスは何度も作ったもの、新エース・黒沢寛太投手(聖隷クリストファー→静岡産業大)、リリーフエース原木大介投手(磐田農)、今年から投手復帰した山下景太郎投手(必由館→航空自衛隊防府クラブ)があと1本を許さず逃げ切り。
一次予選の一回戦とは思えないハイレベルな攻防。これが静岡のクラブチーム、これが静岡の一次予選なんですよね。
特にケイスポは昨年までのエース松本大輝投手(現 全府中野球倶楽部・桐陽→静岡産業大)と主将平谷大選手(神戸西→八戸学院大)が抜けて戦力ダウンが予想されている中でのこの戦いぶり。ほんと春強いよなあ、ケイスポ。
7位 10月29日 プレミアムユニバーシティズ22三部秋季(ゼットエーボールパーク)
順天堂大学 8-6 一橋大学
今季初勝利、三部残留への執念
四部を見に行って「これは面白いな、三部も見に行かないと」となった私。秋季最終節を見に五井まで行ってきました、泊まりで(学習院大学の大薗投手がどうしても見たかったので…)(もっと早くに見に行けよ)。
一橋大学はここまで全敗。昨日で三部最下位を確定させてしまう苦しい状況。最終戦に勝って入替戦に挑みたいという熱い執念が見ているこっちにまですごく伝わってくる試合となりました。
一橋大学の先発、ガンディー翔投手(4年・サレジオ学院)は立ち上がりから何度もピンチを招きながら踏みとどまる気持ちの入ったピッチングで5回1失点。しかし続投した6回に勝ち越しを許すと一気にビッグイニングを作られてしまい降板。7点差を付けられてしまい劣勢となってしまいます。
しかしそれでも一橋大学は諦めません。7回裏に3点を返すと8回表からは二刀流・泉川詩人投手(2年・県立千葉)がスピンのよく効いたボールを武器に2回奪三振の好投で反撃を更に後押し。最終回には2点を返して2点差まで追い上げ。最後は順天堂大学が逃げ切り逆転、そして秋季初勝利とはならなかったものの、勝敗を越えた秋独特の熱い物を十二分に感じる好ゲームとなりました。
何がすごいって、ここまでの熱い試合を順位の決まった試合でやれたっていうこと。まるで両チームが呼応するかのようにぶつかりあっていた印象でした。
てか三部も面白いじゃんか、なんで言ってくれないんだよプレミアムユニバーシティズ22さんよお。どちらも2日見ただけですけど、なんというか三部と四部をくっつけて10校総当たりのリーグ戦やってるのが首都二部って感じかなって思いました。首都二部みんな見に来てね〜。中位校、下位校の試合も楽しいよ〜(ステマ)。
6位 6月3日 都市対抗野球東北二次予選(さきがけ八橋球場)
山形市 B-net/yamagata 6-3 奥州市 水沢駒形野球倶楽部
大会躍進を予感させた古豪撃破
※先に言っとくとめちゃくちゃ長いです。推し地区だからね、仕方ないね。
雨天順延で1日遅れの開幕となった都市対抗東北二次予選。八橋初日の2試合目はB-net/yamagata(山形市、以下B-net)と水沢駒形野球倶楽部(奥州市、以下水沢駒形)の対決に。前年9月に休部となったきらやか銀行の後継チームという形で再出発したばかりのクラブチームと創部100年越えの古豪のマッチアップですよ?普通に熱すぎるでしょ。雨天順延に感謝。
試合は3回裏に3番横倉怜武選手(花巻東→関東学院大)のタイムリーヒットで水沢駒形が先制しますが、直後の4回表にB-netが一挙4得点で逆転に成功、グラ整明けの6回表にも1点を追加しB-net4点リードで試合は終盤へ向かいます。
一方の水沢駒形も7回裏に9番村上雄飛選手(水沢→東北学院大)が好投を続けていたB-net先発石川剛投手(山形中央→城西大→きらやか銀行)から2ランホームランを放ち2点差に。
東北を代表するクラブチームである水沢駒形があっさり終わるわけないよな…まだまだわからないぞ、と思いましたがB-netは8回裏からマウンドに上った三浦泰志投手(一迫商→仙台大→きらやか銀行)がきっちり3人で抑えると9回表には今年から現役復帰した4番深瀬靖彦選手(山形中央→中央学院大→きらやか銀行)がダメ押しタイムリー。反撃を振り切るどころか更に突き放して初の二次予選を勝利で飾りました。
B-netが2試合連続コールド勝ちで突破した山形一次予選も見に行っていたのですが、その時はもっと粗があって正直東北の強豪クラブ相手にこれはちょっと苦戦するんじゃないかと思っていました。水沢駒形と当たることが決まった時は「もう胸を借りるつもりでぶつかっていこう」くらいに考えていたのですが、そんなことを考えていた自分が恥ずかしくなるくらいB-netの選手たちは二次予選に向けて牙を研ぎ続け、しっかり自分たちの野球を詰めて秋田に乗り込んでいました。
水沢駒形相手に勝つことはまだしも、圧倒した展開を見せつけたのははっきり言って予想外だったというか東北の社会人野球の歴史が動いた瞬間を見た気分でした。
B-netはその後、TDK(にかほ市)に敗れたものの(9回まで試合してる時点で普通にすごい)、敗者復活トーナメントに回ってから地元秋田県の能代松陵クラブ(能代市)、福島県の強豪・エフコムBC(伊達市)を連続して大差で勝利。平日での3連戦目となった七十七銀行(仙台市)にコールド負けを喫し予選敗退となりましたが、大会3勝を記録。全5試合全てに先発登板をした石川剛投手が特別賞に輝き大会に爪痕を残す活躍ぶりを見せました。
1位〜5位は多分明日発表します。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?