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保育士さん、尊敬します

『成熟日本への進路』の「成長論から分配論」は今やっとみんなが気付き始めたことを10年以上前に論じていた。その尊敬する波頭亮さんの最近の書籍を探したら『文学部の逆襲』サブタイトルはー人文知が紡ぎ出す人類の「大きな物語」ーが2021年10月に発行されていた。

勉強不足だった。でも出合えて良かった。

何度も繰り返しじっくりと読みたい。そんななかで、何度読んでも立ち止まってしまうページがある。思考がそこから拡散してしまって先へ進まないのだ。

130ページ  人間ならではの仕事

私は感情労働こそが、高度な知的労働だと感じている。例えば保育士さん。汗をかき体を動かし、心を働かせなから頭ではあらゆる判断を瞬時にしている。AIでは不可能な順列、組み合わせからの最善手の選択。(相手の動き)×(相手の感情)×(相手の言葉)×(自分のできる行動)×(自分のできる言葉掛け)・・・などなど。いったい何乗になることだろう。これ以外にも保護者、先輩後輩なども要因になる。

数値で測れない感情労働であり、効率とは無縁、むしろ逆といえるほど細かな気遣いの必要な仕事。

そうした貴い職業であるのに、ストレスは多大だろうと推察される。私が渦中にいないから言えることもある。

AIについては日進月歩、日々情報があり取り敢えず過信しないことかな。パソコンで文章を作り始めた頃、チェックが甘くなったことがあった。手書きと比べて見た目で信頼してしまうのだ。それも一時のこと、AIも使い慣れるまでトラブルを改善しながらになるのだろう。

今はまず、保育士さんへのリスペクト、職務環境を改善して欲しい。保、幼、小、中、高と保護者は先生に対して無理は言えなくなってくる。勿論、だんだんと知的レベル、知識量は増していく。でも感情労働の負担は保育士が間違いなく大きいと、私には思えるのだ。事務仕事は事務員さんを増やして、なるべく本来の保育、教育に専念できるような方向を望んでいる。

人気の本『木曜日にはココアを』青山美智子 著は、可愛らしいファンタスティックな内容で、疲れた時やほっこりしたい時に適している。その中の保育士さんの話は現代的。時期的につい、遣り甲斐や使命感では解決できない現実を思う。


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