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読書記録

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2020年10月の記事一覧

金井雄二「ゆっくりとわたし」

金井雄二氏は図書館に勤務しながら詩を書き続け、丸山薫賞等を受賞された方だ。
仕事でも生活でも苦労されたことが多いことが、作品からはうかがえるが、それでも詩を書くことをやめなかった。

いわゆる大言壮語するような詩は書かない。難解な、哲学的な詩でもない。

ただ、自分の体験した過去を、考え抜かれた言葉で書き綴っている。

「ゆっくりとわたし」は、金井氏の大分若いころ、少年時代を題材としている。苦しか

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金井雄二「短編小説をひらく喜び」

金井雄二「短編小説をひらく喜び」

この本は、Amazonで検索していて見つけた。
紹介文にはこう書かれている。
「文学が大好きだ。少年のころから本のとりことなった著者は、とりわけさまざまな人生の匂いや景色、断面を鮮烈にえがく短編小説の世界にたっぷりと魅せられてきた。志賀直哉、石川淳、牧野信一、藤枝静男、阿部昭、シャルル=ルイ・フィリップ、チャールズ・ブコウスキー、レイモンド・カーヴァーほか……三十二作家三十五作品、短編小説をひらく

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