大学受験ではでてこないけど、ビジネス実務では必修英単語 Press, Cap
今回は、いつもと逆の切り口で、「ビジネス実務ではでてこないけど、大学受験では出てくる変な英語」について、私の意見を述べます。
数年前、子供の大学受験用の英語の問題集をパラパラみていて、意味が分からなかったフレーズ so nice a man を、イギリス人にきいてみたことがあります。
この意味は such a nice man で、今は全く使われていない言い回しだそうです。日本でいう古文のようなものでしょうか?
このような英語を、大学受験に出題することに意味はあるのでしょうか?
大半の日本の高校生は、単なる受験のツールとして「ビジネス実務ではでてこないけど、大学受験では出てくる英語」に時間を費やし、その後、就活前に、慌ててTOEICスコアアップ用に実用英語に方向転換します。
古文のような実用的でない英語に時間をさかず、最初から実用的な英語を学べるような制度が必要だと、私は思います。
本題に入ります。
Press (動詞:急がせる)
この単語は、プレッシャーという名詞形が、カタカナ英語としても、受験英語としても浸透していますね。勿論、この圧力という意味は、和製英語ではなく正しい英語です。
Firms boost dividends, buybacks amid TSE pressure
(東証からの圧力を受け、企業は配当増額、自社株買いを促進した、JTより引用)
では動詞のpress はどうでしょうか?なんとなく、鉄板に圧力をかけるとか、洋服にプレスをかける、とか、人間以外を目的語するイメージがありませんか?
ビジネスの現場では、社内の他部署や取引先に対して、急ぎの作業を依頼するような場面がよくあります。そんな時、日本語だったら「お忙しいところ恐縮ですが」のような枕詞を使用しますよね。英語でも、同様の枕詞をつけたいところですが、そんな時、このpress が使えます。
I am sorry to press you, however, as the deadline for the regulatory reporting is due this Friday, please send us the breakdown by DD/MM/YY.
(急がしてしまい恐縮ですが、当局への報告の期日が今週金曜なので、D日までに内訳を教えてください)
このnoteを読んでくださる方の中には、実際に日々英語でメールのやりとりを行っている方もいると思います。このような場面に遭遇したら、ぜひこの表現を使ってみてください。
Cap (動詞:上限を設ける)
この単語は、野球帽、ビンの蓋という意味で小学生でも知っている言葉ですね。しかし、動詞として使うととても便利な言葉なのです。
世の中には、社会保険料、税金等、従量制であるけれど、上限が設定されている制度が多くあります。
「上限を設定する」を受験英語で表現しようとすると、ついつい setting maximum rate as X となりますが、もっと自然な言い回しがあります。これが動詞のCapなのです。
'Beer tax' increase capped at 2 per cent until 2026, Freeland announces
カナダのフリーランド財務相は、酒税の増税は今後2年間上限2%になると述べた。 (The Canadian Press より引用)
Global warning must be capped at no more than 1.5 degrees Celsius above per-industrial levels. (JTより引用)
前置詞はat を使うことのみ気を付ければ、いろいろな場面で使用できます。
まとめ:名詞として慣れ親しんだ単語は、動詞として使うと便利なこともある。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?