水曜日の胎児

適当に生きたいよーーー

水曜日の胎児

適当に生きたいよーーー

最近の記事

  • 固定された記事

水曜日の男の子

好きなバンドが解散する時 男の子は画面を見ていて 女の子は画面の中にいた 朝帰りにカネコアヤノは優しくなかった ベットの上でコンドームを替える背中を見つめる  女の子の脳内は死神の性別が女ならいいなと考える 女の子は水曜日を諦めて 男の子は水曜日に擦過する 例えば口の周りについた牛乳にも気付かない ボク!ボク!ボク!と呟くけれど タートルネックではなにも隠れなくて 男の子は王様だからと女の子の足を噛んで 女の子は死んでと首を絞める クソみたいな世界に腹が立って 知らな

    • 煙草の本数を減らして寿命を増やしてみたらどう?

      アイツはいつまでも何者かになりたいと祈っててばっかみたい LINEの背景よく分かんない女の子アヘ顔だし 二本あるピンクの歯ブラシを男友達のものだよって嘘つくところも大っ嫌い 一度も同じクラスにならなかったちょっと離れ目の女の子をゴイステの解散日と誕生日が同じで タイツがエロいからという理由で好きになっちゃって 大学の志望動機はあの子が志望するからなんて書いちゃって 大学に入ってからその子は長く付き合ってる他校の彼氏がいることを知って呆気なく恋を終わらせるの だいたいそんな

      • そのままでいてね

        朝九時みたいな匂いの部屋 出勤前にブランコに乗っちゃうサラリーマン 19:35着の電車で帰るとホームで必ず見かける変な髪型の人 頑なにポイントカードを受け取らない人 恋人のメガネに当たるくらいに長いまつ毛 全部そのままでいてね

        • 別れのワルツ

          明日からやって来た憂鬱少女は 恋の飼い主を探して迷い込んだ 今ならちょっとほんの少しだけ飛べると勘違いをしていて 悪魔が別れのワルツを口ずさむことにも気づかない そろそろ帰ってくれないと可愛い子ちゃん 悪魔はベルイマンの処女の泉をみて眠りたいんだよ

        • 固定された記事

        水曜日の男の子

          冷蔵庫の中の記憶

          足りない言葉を補って自分を擦り合わせて 自分を確かめる 形容しがたい感情に支配される 支配する/される側はどちらも空い 自分自身を理解できないていないからか 存在するものに当てはめることが苦痛だからか それっぽく吐き出しては生臭くて纏わりついてくる 溶けた肉の脂身 粘度の高いもの達が目から鼻から漏液している 指を切ったと思って舐めたら牛の血だったという記憶 保つことが難しい 形もコチラも 屠殺される 虫が群がる 喰われる 蝕む 困らせたい 蜘蛛の巣が張る 此処にいて良いの

          冷蔵庫の中の記憶

          恋をしたいと願う少年は願いを叶えて死んでしまったし

          空を駆け回りたいと願う少女は夢を叶えた瞬間死んでしまったし コーラを飲んだ後にチョコレートを食べちゃうようなそんな勿体無いことだらけの日常 飛行機乗りの救世主はただの人間で 〝全て間違いかもしれない〟と書かれた ハンドブックを抱えていても 己が救世主であることを忘れてしまっている 恋って目眩に似ていて 目眩は眩しいに似ている でも恋は眩しいには似ていない 恋をしてしまった少年天使は願いを叶えて死んでしまった

          恋をしたいと願う少年は願いを叶えて死んでしまったし

          いいえ、いいえ、ぼとり、

          はい、はい、はい、ぼとり、 と嘆いた女の子 いいえ と男の子は呟いて拒んだ はい、 と遠回りに呟いた男の子 いいえ、いいえ、ぼとり と女の子は泣いた 僕には、ぼとり、ぼとり、ぼとり、、、 と男の子は最後を振り絞った 当たり前でしょ、とすれ違う音と共にぬぽり

          いいえ、いいえ、ぼとり、

          再生

          下駄の音と生暖かい風と安心と共に。どうぞ。

          高校生に読んだ短編小説に Elliott Smithのspeed trials という音楽が出てくるんです。 小説の内容は全く思い出せないですし 特に思い入れがあった訳でもありませんが ふと思い出した去年の夏終わり頃に 良く聴いていました。 去年の夏終わりはよく下駄で隣の区を歩いていました。 何故だかこの音楽を聴くと不思議と下駄で階段を素早く駆け上がる音と軽やかな足取りを思い出します。 冬になると下駄を履くのが寒くて靴箱にしまってしまいました。 とゆうよりも、本当は下駄を見るのが苦しくて 何にも代えられない安心を思い出すことが辛かったのです。 あの時の、下駄の音と生暖かい風と安心と共に。

          下駄の音と生暖かい風と安心と共に。どうぞ。

          再生