見出し画像

YC W23 Batch - BidSight


YCの採択企業から個人的に面白いと思ったスタートアップを紹介します。今回は不動産デベロッパーに対してコストマネジメントプラットフォームを提供するBidSight。

商業用不動産開発デベロッパーは、建設前に多くのステークホルダー(建築家、エンジニア、請負業者など)に業務を委託します。その際にメール、エクセル、PDFエディターなど分断された様々なシステムの寄せ集めを使用しており、これが標準化されていないサイロ化したプロセスを作り出し、業務上のエラーを頻発させています。

これに対してBidSightでは主に以下の機能を提供します。

  1. チームマネジメント
    チームメンバーを追加して承認プロセスを設定

  2. スケジュールマネジメント
    工程の進み具合に応じてリアルタイムで更新される全体スケジュール作成

  3. 設計図&ドキュメント管理
    設計図や書類を全てアップロードすると、OCRエンジンが自動でカテゴリ分けして保存してくれる。バージョンコントロールや変更履歴の追跡が可能になる。

  4. タスクマネジメント
    タスクの割り当てや優先順位の設定をし、プロジェクトドキュメントに自動で反映される。

  5. ベンダーマネジメント
    ベンダーごとに注文を管理し、発注内容の変更も簡単にできる。

  6. コストマネジメント
    工期内の変更による最終コストの予測、各契約と個別コストの紐付け、複数シナリオでの予算予測

  7. テンプレート作成と使い回し
    過去に使ったワークフローを標準化して使いまわせる。


全体に通じるコンセプトとして、不動産業界で慣例となっている手作業によるデータ入力を極力排除し、既存の会計システムと統合することで、ポートフォリオ全体のプロジェクトコストの統一された情報源として機能させることを目指しています。

アメリカ建設業界は2022年単年で$1.8bnの市場規模がありますが、「全体の75%のプロジェクトが遅延・3分の2以上のプロジェクトが10%超のコストオーバーランになっている」という驚きのデータもあるようで、比較的スケジュール通りプロジェクトが終わることの多い日本と比べると、アメリカにおけるプロジェクトマネジメントの効率化によるコストカットの恩恵は果てしなく大きいんでしょうね。

創業者はアメリカ最大の商業不動産デベロッパーの一つで5年以上の経験を持つAlecが、ソフトウェアエンジニアである元SquareのConner、元GoogleのJoshの2人を誘い、3人体制で創業しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?