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恋愛は一種の宗教である

「ホストはなぜこんなにも稼ぐことができるのだろうか?」

これは俺がホストの体験入店を回っていて抱いた疑問である。
世間一般から見て、お世辞にもカッコ良いとは言えないような奴らが月に100万も200万も稼いでいるから驚きだ。
その答えが俺なりに出たので、今回はそれについて綴っていこうと思う。

答えは「宗教」だからだ。

個人的に、この世の中で1番お金が稼げるのは「宗教」だと思っている。
神社やお寺は、何もせずとも存在しているだけで「お賽銭」というマネタイズ装置を通して、儲けることができている。
イエス・キリストをCEOと見立てた株式会社キリスト教が、トータルで得た額はいくら0があっても足りないだろう。
恋愛にも宗教と似た側面がある。
ホンモノの恋愛をするとその人のことしか見えなくなり、その人の言った事全てが正しくなり、カラスもその子が白と言えば白色になってしまう、それが恋愛だ。
その恋愛を起点としている職業、それがホストであり、だからこそホストは稼げるのだ。
ただのA君は、A君教という宗教に成った。
その子の世界ではイエス・キリストよりも、力を持っている教祖様Aなのだ。だから、ホスト(恋愛)は一種の宗教なのである。

今のこの大SNS時代も本質は「宗教」だ。
インフルエンサーの作ったアパレルや飲食なんて、既存のものとそう大して質や値段も変わらないだろう。
アパレルを本職としている人の作った服の方がデザインや質が良いのは当然だし、飲食(例えばラーメン)を専門にしている人が作った料理の方がそりゃ美味しいに決まっている。
なのに、なぜこんなにもインフルエンサーの作った商品は見た目や質に拘らず売れるのか。
それはもう皆さんお分かりのとおり「宗教」だからだ。
ヒカキンという教祖が与えて下さったもの(ミソキン)なら、ヒカキン信者は有難く喉に流し込むし、ヒカルという教祖がつくりたもうたもの(リザード)なら、ヒカル信者は有難く着させて頂くのだ。

話は大きく変わるが、この前、地元に帰省した時に俺はある女性に出会った。彼氏と数ヶ月前に別れたという20代の女性だ。その彼氏との別れ方が少々複雑だった。
毎日頭から離れないくらい想っていた彼氏に、50万円を貸して飛ばれてしまったと。
こういった経験は誰でも、少なからずあるのではないだろうか。
好きな相手から(お金が絡んでないにしろ)裏切られてしまったような経験だ。
彼女は周りから沢山、非難されたことだろう。
「あなたは狂ってる」「そんな男はやめておけ」「男も悪いけど、貸すあなたもあなたでオカシイわ」と。
はたして、本当にそうだろうか。
その男は確かにオカシイが、彼女自身は本当にオカシイのだろうか。
俺はそうは思わない。むしろ彼女のその盲目的な恋愛に美しさすら感じる。
週1〜2くらいで会って飯食って酒飲んでネトフリ見てHIPHOP一緒に聞いてセックスして起きたらウーバーイーツ食ってって、、
ルーティーンを繰り返すだけのオママゴトみてえな付き合いをしている奴らの方が、よっぽど狂ってるのではないだろうか。
こんなのは恋愛なんて、言わない。
魂でぶつかり合い、火花を散らし、深層の部分で理解し合ってこそのホンモノの恋愛だろう。

楽しさや嬉しさだけを感じる恋愛は、本当に豊かなのだろうか?
苦しさや悲しさ、会いたくてたまらないほどの切なさを、感じさせてくれてこその恋愛ではないだろうか。
周りが見えなくなるくらい相手を愛してしまい、50万円を渡した女性の方がこんな奴らよりよっぽど健全な恋愛をしている。
恋愛は狂って当たり前だ。
「恋は盲目」というだろう。
朝から晩まで四六時中考えてしまい、時には恍惚とした気分を、時には憂鬱な気分を与えてくれるような熱狂的(宗教的)な恋愛にしか価値はない。

見かけだけが美しく、中身を伴っていない
シャボン玉のような「恋愛」ごっこなんてもう終わりにしないか?

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