テレビ大改編の春！新番組目白押しの3月29日を振り返る【関西の午後】
2021年春の地上波テレビ、ベルト番組（帯番組）の改編は、番組変更のなかったものも含めて史上最大と言って良いほど大きな変化が見られます。
午前は、「8時台の変」としてTBS系は「グッとラック！」から麒麟・川島明MCの「ラヴィット！」に、フジテレビ系は長寿番組「とくダネ！」から「めざまし８」に衣替え。日本テレビ系はエース水卜麻美アナを「スッキリ」から「ZIP！」に異動させての勝負…とどのチャンネルを日常にしていた視聴者も変化を感じるくらいの朝となったのではないでしょうか。
また、関西の午後も大きな改編が行われています。毎日放送では20年以上続いた「ちちんぷいぷい」が終了し、これまた大型帯番組が始まりました。関西テレビはこの春から挑戦的な番組を開始して新たな視聴者を獲得しようというメッセージが発信されるタイミングとなっています。今回はこの2番組の初回に注目し、内容を振り返るとともにそこから垣間見える戦略について触れたいと思います。
MBS「よんチャンTV」15時40分〜
22年目のアナウンス部次長、河田直也アナがMCを務めるのが、4チャンネルからそのままとった「ちちんぷいぷい」後継番組、「よんチャンTV」です。初回のパネラー陣はナジャ・グランディーバ、小山慶一郎（NEWS）、ミルクボーイと個性あふれるラインナップ。ちなみにミルクボーイは金曜の裏番組でMC？いろいろ寛容になっているテレビ業界を表していますね。
パネラー陣だけでなく、ヘリコプターを飛ばして空から桜の中継を行うなど、肩の力を存分に込めて放送していました。その後は、「桜餅の葉っぱ、食べる？食べない？」「緑黄色社会へのインタビュー」「コロナウイルス関連情報」「血液や尿でコロナ重症化を予測」「へき地の診療所めぐり市と住民が対立」「豪華寝台列車瑞風、新スタイルで」「なんかエエことありました？（ミルクボーイのインタビューロケ）」、全国ニュースを挟んで「京都のれん探偵」というなぜかのれん縛りの珍ロケコーナー、6時40分頃に天気予報、最後はカウントダウン形式でニュースという構成でまさに硬軟織り交ぜた内容でした。
初回としての力の入り具合が目立ったとともに、MBS夕方ニュースおなじみ「憤懣本舗」の後継企画やお笑い芸人のロケなど、伝統を重んじる様子も感じられ、既存の視聴者を失わないような配慮も感じられました。
https://www.mbs.jp/4chantv/index.shtml
関西テレビ「スローでイージーなルーティーンで」14時45分〜
関西では「バイキング」が好評でその流れで比較的健闘していた「グッディ」が昨年9月で終了、枠拡大していた「バイキングMORE」に続く帯番組として満を持して始まったこの番組、タイトルがなんともバブル期にもありそうと感じたのは筆者だけでしょうか。
字数も多くてEPG泣かせなこの番組「スロイジ」ですが、MCはお笑い芸人が曜日別に務めるというのが最大の特徴、月曜日は見取り図の2人です。初回ゲストは高橋ユウ、そしてYouTuber2人がコンテンツ面で盛り立てます。人間以外にも、犬のテスが看板犬として出演し場を和ませていました。
さて内容はまず笑いの時間としてツートライブのネタ披露、女性に大人気！『3COINS』の最新アイテム＆超便利な活用術をクイズ形式で紹介、人気の宅トレ動画クリエイター・竹脇まりなによる3分間のフィットネス、最後にストレイトニュースと生放送ながら時事に頼らずラジオに近い1時間の構成でした。
この番組は初回からソーシャル的に成功を見せ、#スロイジが15時から30分にわたってついっぷるHOTワードランキングで1位を獲得するなど、視聴率とは別の指標で評価を得やすいフィールドで戦う姿勢も鮮明に打ち出しました。
これらの番組を迎え撃つのは読売テレビ系「情報ライブミヤネ屋」であり、ABCテレビ「キャスト」です。これら既存の番組はリアルタイム性が強く、より硬派（しっかりニュースを伝える報道番組的な個性）な棲み分けと捉えられる可能性があり、今の午後にどのような情報が求められているのかをビビッドに把握し発信していると視聴者に感じられる番組が覇権を奪うことになるでしょう。
私はこの時間帯にテレビの前にいることは少ないですが、硬軟どのような情報が求められるのか、というのは広報のあり方にもつながる話であり、今春の改編で新章に入った視聴率競争にも注目していきたいと思います。
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