見出し画像

【望郷】湊かなえ 読書記録(短文1分強)

≪瀬戸内に生まれ育った島人達のちょっと刺激強めの人間関係。切ない話多めの全六編≫

【 内容 】
日本推理作家協会賞受賞! 都会から離れた島に生まれ、育った人々。 島を憎み、愛し、島を離れ、でも心は島にひきずられたまま―― 閉ざされた“世界"を舞台に、複雑な心模様を鮮やかに描く湊さんの連作短編(全六編)。
自身も“島"で生きてきた湊さんが「自分にしか書けない物語を書いた」と言い切る会心作。島に生まれ育った私たちが抱える故郷への愛と憎しみ…屈折した心が生む六つの事件。

「BOOK」データベースより

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 感想 】
瀬戸内に生まれ育った島人達のちょっと刺激強めの人間関係。
短編なのですが、どれも一風変わった家族のお話。登場人物、全て田舎ならではのめんどくさい家柄の関係、それはそれはボクだったら、こんな島、二度と帰らないように思います。

ケド……帰巣本能とかって理屈じゃないんでしょうね。この『望郷』は、作家湊かなえさんの故郷、瀬戸内にある因島の背景を題材にしているようです。
郷土料理はアナゴの巻き寿司、いつか旅行して食べてみたいです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『みかんの花』 みかん農家、姉妹と母の物語。20数年振りに人気小説家になった姉が帰島。後半、想像もつかなかった展開にちょっとビックリ。

『海の星』突然父が失踪。父の帰りを待ち、探し続ける母と息子。主人公が海釣り場で出会った漁師、おっさんとは何者か。勘違いが真実を遠ざける。

『夢の国』
田舎の封建的社会、祖母の嫌がらせを恐れる、父母の情けなくも逆らえない縛られ方に悩む娘の幼少時代~学生時代。
大人になり、夫と娘と憧れだった念願の「東京ドリームランド」へ。
譲れなかった傷心が達成した時の、心情がとても現実的でした。

『雲の糸』人気歌手 黒崎ひろたかが崖から転落。意識不明の状態。彼に何が起きたのか。始まりは誰にも教えていないはずの嫌いだった地元同級生からの電話。 蜘蛛の糸と雲の糸。母の罪と償いの真実とは……。

『石の十字架』
家族の事情で都会から白綱島に越して来た転校生。別名、観音山。その昔、隠れキリシタンが仏像の裏に十字架を刻み潜伏し、追われていたが、大雨のお陰で難を逃れたとか……。
思い出から現実へ。現在、水難災害に怯える母と娘。

『光の航路』主人公、航。
教師に就職したが、学校のいじめ(苛め、虐め)問題に直面し、偶然難を逃れたが、今後が怖くなり穏やかそうな地元へ赴任。
が、結局いじめ問題に捕まり悩める日々。
早くに亡くなった父親も実は教師であり、昔にお世話になったという元教え子が突然、訪ねてくる。

#望郷 #湊かなえ #読書 #読書記録
#読書感想文 #文春文庫
⬇️『 望郷 』Amazon

この記事が参加している募集