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夏だ!発散の季節だ

春は芽吹きの季節。すべてのものが上に向かって伸びて行く季節。夏は枝や葉がどんドン伸びていく繁茂の季節、いわば活躍の季節です。

インドでは人生を 「学生期(がくしょうき)」、「家住期(かじゅうき)」、そして、「林住期(りんじゅうき)」と「遊行期(ゆぎょうき)」の四つに分けて考えていました。

春が種から芽吹いて成長して学びの時期とすれば、家住期は自分の能力をフルに活かす活躍の季節です。

さて、東洋医学では発散の季節と考えています。


さんさんと降り注ぐ夏の太陽の陽気を体中で受け止めて、陽気を体に取り込みます。海や山に行き歌い、笑い、大いに楽しみ、体の中にある陰の気を追い出します。この時期に充分に陽気を受けて発散しないと、秋や冬になって風邪を引きやすくなります。暑いからと言ってアイスクリームや氷、甘いお菓子そしてスイカなどを食べ過ぎると、陰の気をため込むからですね。

せっかく陰の気を追い出して、陽の気を取り込む季節ですから、冷やす食べものや飲み物は多くなりすぎないように気をつけましょう。

今は大変なのでやっていませんが、夏には「砂療法」を30数年ほどやっていました。一日8時間、それを三日間太陽の下にいるのですから、慎一郎の干物ができてしまいます(^0^)。青空の下で太陽の陽気を受け、塩気を含んだ砂に埋まり、潮風を受けて陰の気を体から出していくのです。ぜん息などの仕上げの時には必ず来なさい、と誘っていました。抗がん剤の副作用も1日2日で排毒して軽くなった、と言う方もいました。

最近増えてきている摂食障害など心の病気にも驚くほどの効果があります。

37~38度、時には40度を超えて夜の気温も下がらない時は暑さ対策をする必要があります。その決め手は水分です。

このところ熱中症で救急搬送される方もとても多くなってきました。熱中症になる人とならない人の違いはどこにあるのでしょう?私の経験では、若い方であれば体に水分が溜まっている方が熱中症になりやすいと思っています。

例えば湯たんぽを抱えていると考えて見ましょう。真夏の暑い時は湯たんぽの水が保温の役目をしていて、より暑さに弱くなります。反対に秋や春先、あるいは冬の寒い時期には湯たんぽの水が冷たくなりますから、体は冷え切ってしまいます。相談者の中には、それほど寒くないのに霜焼けになりやすいという方も少なからず居られます。

◆自律神経
五臓六腑と言いますが、その中で“肝”の役割はというと、「血液に栄養を与え(営養)、流れをコントロールする疏泄(そせつ)、自律神経系の調節を担っています。 自律神経系が乱れる一番の原因はストレスですが、ストレスの影響を一番受けるのが肝です。

お年寄りがエアコンをつけずに寝ていて、亡くなると言うことがよくあります。水分をよく摂らない事もありますが、体を動かす交感神経と休める副交感神経の働きが乱れていることも要因です。

なぜエアコンをつけないのか尋ねると、あまり暑いと感じないから、と答える場合が少なからずあります。自律神経がうまく働いていないからということも要因のひとつではないでしょうか?

肝を助けるのは母である腎です(相生)。そして腎を傷めるのは甘味です(相剋)。また肝を傷めるのは甘味(相侮)。

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