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【就活生向け】「文系院生」は本当に就活で苦戦するのか

私の最終学位は、独語学(ドイツ語言語学)修士です。修士論文ではドイツ語の会話で用いられる副詞のニュアンスについて、インタビュー調査を行い分析したものです。ここまででお判りいただけたかと思いますが、実学ではない文系院生でした

「文系の院生は就活で苦戦するからやめておいた方がいい」という話を耳した事がある方もおられるかと思います。私も言われましたし、母も職場の人に私が文系の院にいった事で「大丈夫?」と言われたようです。

では、実際に文系の院生は就活で苦戦するのか、私の考えを述べたいと思います。

結論「学卒生と同じ所で戦えば、苦戦する」

実際、文系院卒である事がネックになっていると思います。私も特に大手企業に関しては殆どESで落ちました。勿論、最終的に就職する総合電機メーカーを始め、東証一部上場の企業の内、内定をくれるケースもあります

※勿論、私が落ちた理由が院卒だからが一番大きいかどうか分かりません。その理由については、下記もご参考ください。

日本は海外と比較して、学位を評価しない傾向はあると考えています。国によってはエントリーの条件に学位がある場合もありますが、日本はほぼありません(おそらく理系修士かNBAぐらい)。日本は学位よりも、大学名で判断するケースが就活に限らず多いと思っています。普段でも「あの人院卒だよ」よりも「あの人○○大卒だよ」という会話が圧倒的に多いと思います。

ではなぜ、日本では学位、特に文系修士が苦戦するのか、私なりに考えてみます。

一番のネックは「年齢」

文系修士と文系学士の一番の違いは「年齢」です。多くの場合2歳年を取っています。

しかし、文系の仕事は一般に会社に入ってから覚えることが前提になっています。正確に言うと、大学時代に勉強した事がそのままスキルとして生かせる仕事は非常に少ない(と思われて)です。

しかし、特に大手企業の場合は院卒は学卒よりも初任給から高い給料を払わないといけません。これは年功序列の人事制度が影響しているのか、新卒の院卒は専門性を身に付けた理系修士であることを前提としているのか、分かりませんが、院卒と学卒で給与形態が違う事があります。

例えば院卒と学卒で3万円給与が違うとして、賞与を含めて+40万円~60万円/年でコストが院卒にはかかります。3年目から一人前になるとすると、その3倍の150万円以上のコストがかかってきます。単純な給与で言うとこのくらい違うイメージです。

また、年功序列の文化が残っていると、学卒よりも院卒の方が先に昇給のチャンスが来てしまいます。その分毎年のコストが上がっていきます。

この際、高い給与を払わないといけないが、仕事としては学卒と同じ事を要求し、育てないといけないとなると、企業としては同じ能力ならばコストの安い方(=学卒)を取ります。その学卒が有名大学卒であれば、なおさらその傾向は高まると思います。

文系院卒が逆転する方法①鍛えられた論理的思考力

この様に、苦戦すると私は考えていますが、文系院卒にも逆転の方法、強みがあると思っています。その一つが、文系院卒は論理的思考力が鍛えられていると思っています。その理由について説明します。

文系の学問は文学、社会学、経済学、心理学、教育学など基本的に実体のないものを相手にしています。そのため、研究対象があいまいです。文系の学問はまず、実体のない対象を分析するために自ら定義付けし、定量的なデータにしていきます

このフローにおいて、自らの定義付けが誰から見ても納得できるものでないと、研究が進められません。この際に要求されるものが、あいまいな物を形作り相手に理解させるための論理が必要です。この力は社会に出た時に力を発揮します。

修士卒は卒業論文よりも厳しい審査を潜り抜ける必要のある修士論文を通さないと取得できません。また、修士論文執筆に向け、学会に出席する必要も出てくるため、自身の論理が正しいかどうか、客観的に見て納得できるものであるか、調べるチャンスが多いです

事務系のお仕事でも、同様にして形のないものをどう定義付けし、その問題を分析し、解決策を提示するというフローは存在するため、修士論文執筆のために鍛え上げられた論理的思考力が強みを発揮すると思います。

文系修士が逆転する方法②修士号+αの資格取得

既に述べたように日本は学位を重視しないため、資格としての修士号がアピールできないです。そこで修士号+αの資格取得によって、自身の学業が社会に直接役立つ事を示していけると思います。

私のような言語系の人間であれば、独語学修士+ドイツ語検定の資格により社会に出て使える語学力を身に付けている事を示せます。教育学であれば専修免許など、社会学であれば社労士等、専攻する学問に関連する資格は調べれば必ずあると思います。

資格とは社会に出て役に立つ知識を持っていることの証明になります。研究がなかなか社会と直結するイメージが持てないのであれば、そういった資格を取得しておくことで、研究だけでなく実践も出来る事の証明になります。

最後に

いかがでしたでしょうか。今回、就活では文系修士は就活で苦戦すると主張してまいりましたが、自身の研究した2年間を正しく伝え、自身に価値があると証明できれば、実際のところ内定は十分可能です。

また、私の経験から、学卒と修士の給与形態が同じ会社では関係がないという事も付け加えておきます。

最終的には各社の判断になります。私が最初に入社した総合電機メーカーは学卒と院卒で給与形態は違いましたが、文系修士を毎年取る会社であり、あまり関係がないとも言えます。

最後は会社によって考え方が異なりますが、一番言いたい事は文系修士卒であれば、自身の経歴に自信を持って選考に臨んでいただければと思います。

もし、修士卒の就活生で不安な方は是非お話しましょう!お気軽に(https://twitter.com/DHarunohi)へDMください!

また、お読みいただいておりますキャリアコンサルタントの方、人事の方は今回の私の記事に対して、コメント、DMにて意見いただけると嬉しいです。

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これを書いている私はこんな人です

「キャリア」×「自由でいい」をテーマに面白いゆとり世代を発信するラジオやっています

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