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【映画レビュー】今年度ベスト級映画はこれかな「ジャスティスリーグ:スナイダーカット」

コロナ時代と言われているが、中々それも明けそうにない2021年。

皆さん、いかがお過ごしだろうか。

今回紹介する映画は2017年、公開されたはいいが総スカンを喰らい大コケをしてしまったジョス・ウェドン監督の「ジャスティスリーグ」の再編集版で当初の監督であったザック・スナイダーによる「ジャスティスリーグ」である。

このためにキャストもスタッフもわざわざ彼の元に集ったそうである。

つくづく愛された男だ。

再編集版といったが、もうその内容はほぼ別物…あまりの違いように正直びっくりである。

4時間ほどある狂気の長さをしているが、不思議と不快感はまったくない。それどころか、あっという間に終わってしまうかなりできのいい映画になっている。


まず本作独自の要素として、DC映画ユニバースのラスボスとしてダークサイドの存在を全面的に出てくる。

ダークサイドというのは知らない人にいっておくとDCユニバース最大最強の悪役であり一言でいうと、悪い神様の大ボスであり大魔王である。

所詮街の半グレに過ぎないジョーカーや良くも悪くも人間でしかないレックス・ルーサーと違うスケールのでかい悪役として高い人気を誇っている。

本人自身の戦闘力も尋常ではなく、スーパーマン以上の腕力・戦闘力の持ち主で惑星破壊級の攻撃にすら耐えるタフネスをもっている。


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これがダークサイドである、すわっているだけでこの様…むっちゃ怖い。

ちなみにダークサイド専用のテーマまで用意されているが、かなり不穏で印象的なスコアになっている。




本作の中でも部下であるステッペンウルフを地球に派遣させていたことが明らかになる。

あとそうそう、ステッペンウルフのデザインもかなり生物的に改造されている。

冷酷で残忍なステッペンウルフはボスキャラとしてはかなり迫力があり、ワンダーウーマンですら押し負けてしまうというかなりの実力の持ち主に描かれている。

だが、やり方次第では勝てない相手ではなくほどよい丁度良い中ボスとして機能していたのではないかとすら思えてしまう。

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あと、そうそう評判の悪かったジャレッド・レトのジョーカーも出てくるが、その扱いもかなり絶妙である。

しかし、残念ながらザックが考えていたこれらのアイデアはワーナーによって握りつぶされしょうもないコメディに改悪されていたのだ。


それだけではない、ジョス・ウェドン版は脚本もすちゃらかであった。

まずジャスティスリーグは内輪揉めばかりを行い、仲間間での統制がうまくとれていない。

そう、これどこかでみましたよね。

アベンジャーズですよ。

なんと、恥ずかしいことに天下のDCコミックがアベンジャーズのパクリを行ったのである。

呆れて物が言えない。

言い出しっぺのバットマンは無能で周囲の足を引っ張っている有様である。

バットマンといえば、落ち目のアメコミ産業でも数少ない売れ筋を保っているキャラである。

ここまで無能に描いてどうする?とすら言いたい。

それに対してザック・スナイダー版のバットマンは八面六臂の大活躍をみせる常人なのに怪物相手にわたりあい、作戦を考え、ヒーローたちに支援をする。

そう、これこそがバットマンなのだ。

アニメのジャスティスリーグでの頼れるバットマンに慣れ親しんだ自分としてはこれがなによりもうれしかった。

バットマンだけではなく、フラッシュもジョス版のウザさ・キモさはほとんどなく天然気味だが、サイボーグと仲がいい兄弟分として描かれている。

それどころか、彼がいなければ最終的に人類は滅んでいたのではないかとすら思えるほどの活躍を行う。

これもアニメ版へのオマージュだろう。

今回このバージョンが公開されたことで、なんとかワーナーは息がつながったことだろう。


しかし残念ながら、これは正史に含まれないそうである。

良くも悪くもファンサービスの一環程度の映画、だが正直もうこれが本編でいいよという内容になっている。


ザック・スナイダーときたら、時に「暗い」「ストーリーがわからない」「スーパーヒーローの英雄性がない」だのグダグダ言ううつけどもが非常に多い。

ここだけの話さあ、そんなことをほざいてるやつはさっさとMCUでも観てろって話なんだよ。

と、そんな大見得を切りたいところではあるのだが、悲しいかなワーナーもMCUみたいなのがいい!!とほざいて本作の重厚でシリアスな話を全部ぶつ切りにしてまんまアベンジャーズのバッタモンにしあげやがったわけである。

その結果できたのがジョス・ウェドン版である。

どうしようもないっすね、ワーナーは(笑)。


まあ、そんなわけで点数は

98/100点


ぜひ、アマゾンプライムなどの配信サイトをチェックして空いた時間にみてほしい力作である。



(追記)

そういえば、ジョス・ウェドンがセクハラパワハラなんやらで叩かれている。

まあそれ自体はどうでもいいし、バフィーもアベンジャーズも好きだったのでジョスにヘイトは個人的にはないしいつでも戻ってきてよいとすら思っていることをここで書いておきたい。



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