【映画】二度と見たくない地獄のトラウマ映画 第7回「コンプライアンス~服従の心理~」
本作は誰も死なない、怪奇現象がおきない、サイコパス(でてくるけどかなりしょっぱい)が出てこないだが不気味な映画だ。
たった一人の変態の手で小さなマクドナルドの店が崩壊してしまう恐怖を描いた狂気の一作だ、こんな狂った話が世の中に実際に起きたというのが一番恐ろしい。
そして、資本主義という社会が電話上での嫌がらせやクレーマーの一つ二つで歓待に崩壊してしまうということを短い間できっちりと描き切っている。
あらすじはこんな感じだ。
田舎町に一つだけしかないマクドナルド、そこでは多くの人間が働いていた。店長のおばちゃんはゆとり世代でケータイ世代なナウいヤングたちと働いていたが、若い女店員のベッキーたんの気持ちが理解できないでいた。
「きー、何よあいつ!むかつく!私の若いころはもっと素直だったわ!」という想いを抱きながらも私情でクビにできないので我慢していた。そんな中、マクドナルドの店にある電話がかかる。
「もしもし、私警察のものですが・・・若い女性のレジ係っておられますか?」・・・こんな糞忙しいのに何が警察じゃ!と思うおばちゃんだったが、親方日の丸ならぬ親方星条旗じゃ仕方なしおまわりさんがいうのだからそうだろう。といわんばかりに「おります!」と答えてしまう。
なんとこれは変態の嫌がらせ電話だったのだ、最初は半信半疑だった店長のおばちゃんは電話先の顔も見えない相手のことを信用していきさらに「ベッキーのお兄ちゃんは悪いやつとつるんどりまして金を隠してるかもしれんのです・・・私そちらに行きたいところではありますが忙しくて・・・捜査に協力していただきたい。」といわれてしまう。
さらに要求はエスカレートしていき「ベッキーの服を脱がしてほしい」とかになっていく・・・。
ベッキーも最初は?だったが、上司の言うことには逆らえないので服を脱いでいってしまう・・・もうこの時点で疑うべきなのだが店長のおばちゃんは警官と名乗る電話主の言うことを信じてしまっている。
「いやー、責任ある仕事をしていて実に羨ましいですなあ!」とおべっかを使いまくり膨らませまくりである。気をよくしたおばちゃんはあれよあれよと変態の言うことを信じてベッキーを全裸に剥かせてしまう。
忙しいので若い童貞そうな店員に代わってもらうが、こいつはいいやつだったので「ベッキーの兄ちゃんなら知ってるけど、そんなことしないよ」とかいう。イラついた自称警官のおっさんに「お前公務執行妨害で逮捕するぞ」脅されるが、モラルと制御心が働き彼女に手をかけるのを拒絶する。
大体、若いやつのほうがモラルや制御心をわかっているもんだったりするがこれはその典型例だろう。
そのあと、店長の彼氏のおっさんがやってくるが・・・こいつはどうしようもなく警官の言葉にあっさり洗脳され乳首の色を確かめたり女性器はどうなってるかとかお尻を叩いたりとかをさせられてしまう。
そんな中、常連客のお爺ちゃんがきてこの沙汰に気が付き電話上の警官のおっさんに一喝をする。「おどりゃ、悪戯じゃろ」そこからだんだんこいつの洗脳が抜けていき・・・みんながみんなこのおっさんを疑っていきやがて本当の警察がくる。
その後、この変態のおっさんは逮捕されるが・・・店長のおばはんはベッキーに謝罪の一言も入れずに終わったことがドキュメンタリー形式で流される。
「あはは、あたし洗脳されてましたのよー!悪いことをする人もいるもののね!ぷんすかぷん!ですわ!」
あのさぁ・・・
ナチス政権化のドイツで官民そろってユダヤ人を虐殺していたくせに「ナチスに騙されました!」とかいってるドイツ人と何の変りもせんぞこいつ。
観客が「あのなあ・・・おばはん」と思い始めると衝撃のテロップが流れてくる。
『米国の30の州において、同様の事件が70件以上報告された。』
俺はこれをみて背筋が凍る思いがした。
人はあっさり洗脳されてしまうのだ、それも正義感や秩序によってあー恐ろしい。
アメリカという国は恐ろしく極端で救いようがないほどバカなのだなあ・・・と呆れさせる。広大な国だが、それが故こういう犯罪が置きまくるのだ。
アメリカでは松永太系の犯罪者は出てこないと思っていたが、これをみると「バレていない」だけなのだなぁ・・・と感心させられる。
日本でも未だにいそうだなぁ・・・こういうやつ。現実はこういうしょっぱいやつがしょっぱい犯罪を起こして捕まっていくのだ。
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