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たまに数学がしたくなる

30歳を過ぎてから受験勉強している時、頭の切れがどんどん良くなっていく感覚がありました。

言語化しにくいのですが、頭の回転が速くなるというか、勉強に限らずどんな物事でも「これでこうなら、こうなるな」という因果関係や展開の推測を、とてもクリアに素早くできるようになっていく感覚です。

それを一番感じたのが数学の勉強でした。受験のために色んな科目を勉強しましたが、数学で一番頭がよくなったと思えるほど、切れが研ぎ澄まされていく感じがありました。

おそらくこれは、普段使っている脳の部位と数学で使う部位が違うからだと思います。

ざっくり分けると、右脳はひらめきや直感、左脳は論理的思考を司ると言われています。数学はその左脳の中でも、いつもは使っていない部分が刺激される感覚が自分の中ではあって、得意ではなかったものの、やっていくうちにどんどん鍛えられて、頭が冴えわたっていく感じでした。

最近読んだ本によると、実は脳は大人になってからでも成長するらしく、加齢で衰えを感じる理由は「いつも同じ脳の部位しか使っていないから」なのだそうです。

確かに年を重ねると生活がどんどんパターン化していって、刺激がなくなっていきます。食べるもの、出かける場所も固定化され、仕事も同じようなことの繰り返し。テレビやYouTube、音楽も似たようなものばかり楽しむ。新しいものにチャレンジしないと脳が衰えていく一方なのだそうです。

私は飽きっぽい性格で、割と今まで色んなことにチャレンジしてきましたつもりですが、それでも受験勉強を始めた頃は脳への負荷が全然違っていて、やはり勉強でしか使わない部分があるんだなと痛感しました。その中でも数学は刺激の種類が全然違う感じで、ある種の気持ちよささえありました。

それがずっと記憶の片隅にあるせいか、たまに無性に数学を勉強したくなる時があるんですよね。数学でしか味わえないあの刺激をもう一度と、体が要求してくるのです。とはいえ、やるならやるで本格的にまた一からやりたい気持ちもあるので、結局はやらないんですが。

手元に青チャートもあってやろうと思えばいつでも出来るんですが、適当にパッと開いて目についた問題を解くのもちょっと違うんですよね。

やるとしたらしっかり最初のページから最後まで一通り解いて、懐かしさとともにまた自分が成長している感覚も味わいたいので、いつか時間がとれて、且つ気が向いたらやろうと思いながら、いつもその発作が収まるまでやり過ごしてしまいます。

よく数学が好きな人は「パズルを解いている感覚で楽しい」と言いますが、受験勉強しているうちにちょっとだけその気持ちも分かりました。得意じゃないので偉そうなことは言えませんが、それでも問題が解けたときの快感は他の教科と比べても別格です。難しめの問題が解けたときは「俺スゲー!」って言いたくなります。

私と一緒で数学嫌いっていう人は多いと思いますが、いざやってみると意外とハマります。なかなか趣味で数学をやる、というのは難しいかもしれませんが、「何だか最近、自分の頭の切れが鈍ってきたな」と感じた時の処方箋としては断然お勧めできるものです。

いきなり高校レベルが難しければ、中学レベル、なんなら算数からでもいいと思います。私も塾講師の仕事を始めた時は小学生レベルからやり直したので。

スマホなどでやる脳トレとは一味違った刺激があるので、興味のある方は試してみてください。私の言っていることが何となくでも分かっていただけるのではと思います。

それでは、今回はこの辺で。
お付き合いいただきありがとうございました。

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