東大レベルの国語力の土台になったマンガ3選
私は小さいころから国語は得意で、読解力、文章構成力、語彙力ともに平均より高いレベルではありましたが、活字本をたくさん読んでいたというわけではありませんでした。読書量でいうと、小学校~高校卒業までだいたい平均して年に2~3冊程度です。
ではどこで国語力が養われたかというと、要因の大部分を占めるのがマンガです。およそ今から30年くらい前の、私が子供だったころは「マンガばかり読んでいてはダメだ」という風潮がかなり強かった覚えがありますが、幼いながらに「いや、マンガも結構言葉の勉強になるけどなあ」と思っていたものです。
結果として、東大合格に至るまで国語で苦労したことはほとんどありませんでしたが、今回はそんな私の国語力を養ってくれた代表的なマンガを3つご紹介したいと思います。
1.ダイの大冒険
まず一作目は、最近アニメの復活をはじめとして様々なメディア展開がなされている『ダイの大冒険』です。私が小2くらいから夢中で読んでいた作品で、何十回と読み返している一番好きなマンガです。
マンガのいいところは難しい言葉に出会ったとしても、文脈と絵がその理解を助けてくれるところだと思います。
この作品で一つ例を挙げると、主人公の少年ダイが強敵である獣王クロコダインと再戦した時に登場した「男子三日会わざれば刮目して見よ」という文句です。
前回戦った時から何日も経っていないにもかかわらず、飛躍的な成長を遂げているダイに対してクロコダインが脅威を覚えた際に登場する言葉で、もちろん10歳にもならない当時の私が知っているはずのないのですが、話の流れから「気をつけろっていう意味なんだろうなあ」と推測でき、当時から強く印象に残っています。
もちろんそれでも理解できない場合、例えば「傀儡」などは辞書を引いたりもするのですが、こんな風に『ダイの大冒険』からは難しい言葉をたくさん知ることができました。
またそれだけでなく、この作品には名台詞も山ほどあり、言葉のリズムや言い回しなど、影響を受けたものは数えきれません。以下に主人公の師であるアバン先生の、私が大好きな名言を2つほどご紹介したいと思います。
2.幽遊白書
2つ目は『HUNTER×HUNTER』でも有名な、冨樫義博先生による『幽遊白書』です。この作品でも難しい言葉はたくさん学べるのですが、それよりも印象的なのが、キャラクター同士の軽妙な会話のやり取りです。
お互いを理解しあった者同士の、余計な言葉を挟まないセリフの応酬がそこかしこにあり、いわゆる「行間を読む」力がつく作品です。言わなくても通じ合っている部分はどんどん省いて会話が進むため、非常に心地いいリズムで言葉が流れていきます。ちょっと説明が難しいところなのですが、読んだことがある方なら納得していただけると思います。
著作権の問題があるため当該のシーンを載せて説明することができなくて残念なのですが、とてもテンポと響きのよい言葉の流れが多く、こんな会話がしてみたいなあと、そのカッコよさに当時よく憧れたものでした。
3.るろうに剣心
最後は明治の剣客の冒険譚を描いた『るろうに剣心』です。これはいわずもがな舞台が明治時代であるため、言葉遣いの随所に古風な言い回しが使われており、読んでいた当時小5~中3くらいだった私に新しい語彙の扉を開いてくれた作品でした。
「穿(うが)つ」、「戯(ざ)れ言」、「詮(せん)のない」、「某(それがし)」などの言葉は『るろうに剣心』を読んでいなければ知らなかったでしょう。こういった古い言い回しに興味が湧いたことで、親に広辞苑を買ってもらい、ページをめくっては知らない言葉を探すのにハマったりもしました。
その影響が中2病とも重なって、当時の作文や文集にはもったいつけた言葉遣いが多くちりばめられていたと思います(笑)
以上、ここまで3作品をご紹介してきましたが、他にも『ドラえもん』や『忍たま乱太郎』など、言葉の勉強になったマンガはまだまだあります。個人的経験から言えば、マンガを通じての語彙力形成は子供にとって有効な手段だと思われます。
機会があれば、今度は「子供時代にマンガとゲームばかり触れていては頭が悪くなる」という、昔からまことしやかに囁かれている言説についての検証もしてみたいところです。よろしければその際はまたお付き合いください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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